暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第194話 ただ1つの選択
[9/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
! ……死神(アイツ)には逃げられた。一先ず追ってくる死銃を片付けよう」

 リュウキは、懐から、プラズマ・グレネード取り出した。それを指で押すと……、ぴぴぴぴ、と言う電子音が発生した。


「鬼ッ……!」

 死銃もそれに気づいている様で、手綱を僅かに引き、ロボットホースの速度を遅くさせた。そして、その一瞬の隙を決してリュウキは見逃さない。

「ふんっ!!」

 リュウキは、バギーのハンドルから両手を離すと、右手に持ったグレネードを死銃目掛けて投げた。放物線を描く……、というよりは、直線状にまるで弾丸の様に伸びていく。

「くっ……!」

 手綱を巧みに操り、回避する死銃。速度も元に戻し、爆風に巻き込まれない様にしようとするが……。

「甘い」
「ッッ!!」

 左手で、デザートイーグルを撃ちはなった。

 秒速427mを誇るデザートイーグルの《50AE弾》は、容易に先ほどリュウキが投げたグレネードに追いつき、直撃した。丁度回避した死銃の金属馬、一台分右側でプラズマグレネードに当たり……炸裂したのだ。凄まじい大爆発が巻き起こる。

「うおおおっ!!!」

 大爆発に巻き込まれまい、と金属馬の背から、飛び退く様に飛び上がった。爆風は、金属馬の全てを包むが、僅かに死銃には届かない。ロボット・ホースの耐久度も奪いきれなかった。だが、完全にバランス崩し、倒れ込んだ。……そして、丁度、横転している軍用車両に、死銃(デスガン)飛び移った。

「ちっ……!!」

 リュウキは、仕留め損なったのを確認すると同時に、へカートを構えているシノンに向かって叫ぶ。

「……撃て! シノン!!」
「っ……!」

 リュウキが来てくれた。キリトが言った通り、無事だった。それだけで、心が救われる気分だった。……まだ、闇が占めている上に、弱い詩乃が存在している為、戦える状態に戻ったわけではないが……、それでも、はっきりと聞こえてきた。

「オレも一緒に撃つ。だから、一度でいい、この指を動かしてくれ」

 キリトがシノンの手に自身の手を合わせた。
 キリトの熾火の様な熱が、氷の様に固まったシノンの指を動かしていくのを感じた。

 あの金属馬、ロボット・ホースは壊れてはいないものの、吹き飛んでしまっているから、直ぐには、あの死銃(デスガン)は追ってこれないだろう。

 だが、敵は、死銃を持っているプレイヤーは他にもいるのだ。確認したのは2人。ここで、出来る事なら、あの男を退場させておきたい。……あいつの名前を判ってないから、現実世界で追えるかどうかが判らない。でも、それでも危険を下げる為に、排除する方が良いに決まっている。リュウキも、キリトと目があった様であり、頷いていた。


――……2人と
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ