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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第194話 ただ1つの選択
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りと思いへカートUの感触があったのだが、いつもの闘志を与えてくれるその質量も、今は何も伝えては来なかった。
「当たらなくてもいい! 牽制だけでいいんだ!!」
キリトは続けて叫びを上げるが、シノンは首を振ることしかできなかった。
「む、むり……あいつ、あいつは……」
過去から蘇った亡霊。
キリトの叫びもあり、撃たれた彼の事も……死んでいない、と信じる事が出来ていた。それでも、あの亡霊には、例え12.7mm弾が心臓に命中しようとも止まらない、止まりはしない。……それはどうしても否定する事が出来なかった。
「あいつが直ぐに来てくれる!! 足止めを、牽制をすれば、その間に追いついてくるんだ! シノン! あいつは絶対に殺られたりしない」
再び、キリトはシノンにそう叫んだ。
「っ……」
シノンは、ぴくりと僅かに反応した。
キリトは、シノンの中にリュウキが大きく存在している事がよく判った。キリトは、恐らく本気でぶつかったあの決勝戦の時から、だと思っていた。……正確には違うが、確かに 大きくなってきたのは事実だ。
「シノン! 運転を代わってくれ! オレがその銃を撃つから!」
僅かに反応したシノンは……更にキリトのその言葉で、覚醒する事が出来た。
――へカートは、……私の分身。私以外には……。
途切れ途切れの思考が、回路に流れる微弱の電流のようにシノンの右手を動かした。
そして、もう1つの声が……流れる。
『その銃は、貴女にこそ、相応しい。強い意志を持った瞳を持つ貴女に、
冥界を司る女神
(
ヘカートU
)
は貴女の物。貴女が勝ち取って得た物です。誇りなさい』
それはかつて、必ずこの銃で倒すと決めた相手の言葉。なのに、皮肉だけど、……とても今の自分には心強かった。そう、この銃は、へカートは自分じゃなければ駄目なのだと改めて思う事が出来たから。
へカートのスコープを覗き込み倍率を上げた。身体の中心線を狙うとするが……、今以上に拡大すると、あのフードの下の顔がはっきりと見えてしまう、そう思うとそれ以上指が動かせなかった。だから、その状態、倍率のまま 右手をグリップに移動させ、狙撃体勢に入る。
狙撃体勢には言った時点で、弾道予測線が表示されている為、死銃もシノンの狙撃体勢に気づいている筈だが、停止はおろか回避するつもりも無かった。そのまま、一直線に追いすがってくる。
――舐められてる。
頭の何処かでそう気づいたのに、今はこれ以上なにも出来なかった。
彼の言葉が、頭に流れても、へカートへの想いを思い出しても。今にも、再びあの死銃……黒星を取り出すのではないか、と思うと、想いは陰り、そして怒りではなく、恐怖しか湧
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