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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第194話 ただ1つの選択
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は、この時もう一度あの姿を間の辺にする。
「う、うぁっ……」
キリトの叱咤があり、何とか気を少し、沈める事が出来たが、それでもまだ 何時もの自分じゃない。間違いなく詩乃の部分が今の身体を占めている。
「なん、で……っ」
乗れるはずのないあの姿を見て、再び恐怖に彩られる。シノンが聞いた話では、確かに現実世界で乗馬の経験があった方が、有利だが、それでもうまく出来ない割合の方が高いのだ。だが、あの男はそれを嘲笑う様に、乗りこなしている闇色の騎手。信じられない光景を続けて見た事で……、あの男なら、リュウキをも下す可能性がある、と思ってしまったのだ。
「く、くく」
死銃の顔が歪んだ気がした。口元はその髑髏のマスクで見えない筈なのに……、口元が笑っている様に見える。歪んで見える。
そして、懐から……あの銃を取り出したのだ。
「っっ!!」
あの銃は、自分の悪夢の象徴だ。そして、プレイヤーを消し、更に……リュウキを撃った武器でも、あるのだ。
「お、おねが……い。逃げて、お、追いつかれる……っ、逃げて……」
悲鳴混じりの細い声で、シノンは叫ぶ。
キリトは、シノンが少し、落ち着いてくれた事に安心すると、それに応える様に、キリトはいっそうアクセルを開けた。
直線状だが、如何せん障害物や凹凸の激しい道路は続く。
その1つにでも捕らわれ、もたつこうものならあの死銃は数10秒足らずで追いついてくるだろう。ロボット・ホースは、障害物の多いこの道路でも四つ足で巧みに回避し、更には速度を緩める事も無い。全く同じ立地条件でも、障害だらけのこのコースでは、あの馬の方にアドバンテージがある。その上、同乗者の数をも考えたら更にそれは付与されるだろう。
握られた死銃がすぐ後ろに迫ってきている。
既に右手を手綱から離しており、狙いを真っ直ぐに向けてきた。
あの《五四式・黒星》を。
「っ……!」
キリトは、放たれた銃弾を、光剣で弾き斬った。如何に、命を奪う弾丸だと言えど、実質はこの世界の銃と同じ弾丸だ。それも、30口径。弾速も他のマシンガンに比べたら断然遅いのだ。
だが、運転しながら弾くのはかなり難易度が高い。
「シノン、聞こえるか、シノン!!」
「っ……!!」
不意にキリトに呼ばれたシノンだが、詩乃の部分がまだ色濃く出てしまっているシノンは、返事はできなかった。
「シノンっ!!」
再び鋭い声に全身を叩かれ、ようやく震えも止まり、キリトの後ろ姿を捉える事が出来た。
「シノン、このままだと追いつかれる。――君が奴を狙撃してくれ」
「む、むり……無理だよ」
シノンは、いやいやをするように首を横に振った。右肩にはずし
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