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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第193話 温かい背中
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いる事に驚きを隠せれなかった。
「相手を視る事のは、お前の専売特許ではない」
リュウキはそう言うと、警戒しつつ、スピードスローダーでリロードをする。
リュウキは、相手の視線や、デジタル世界でアバターを動かす僅かな各部位、筋肉の動きを視て動きを先読みし、攻撃を当てたのだ。
そして、たった一発と錯覚させたのは、極限とも言える早撃ちだ。SAAを撃つのに、両手を使った理由がここにある。デザートイーグルは確かに強力だが、反動の強さのせいか、片手で扱えても、速射性に劣る。故に、追撃にSAAを使用したのだ。
……その効果は、覿面だった。
死神も、デザートイーグルの一撃には十分に注意している様であり意識は完全にデザートイーグルよりだった。その心理的隙間を狙ったのだ。
「侮り過ぎたな。腐っても鬼は鬼。……PoHが唯一絶対の敵だと見定めた理由が今さらながら漸く判ったぜ」
「……迷惑だ」
リュウキの返答は、SAAによる銃撃。だが、それは正確に躱した。宙を舞い落ちていたククリナイフを拾いつつ、SMGで牽制した。
1弾1弾をナイフで捌き、或いは回避し、再び間合いを取る両者。
「そう、さ。お前が、鬼がオレをあの暗い牢獄に閉じ込めたんだったよな? この死神を。くくく」
ククリ・ナイフを、そしてSMGを構えつつそう言う死神。
「……オレとしては、牢獄よりも地獄に送りたい気分だったんだがな。それがオレの唯一のミスだった」
死、殺人と言う十字架を背負う意味。
それを判っていないはずはない。例え、こんな悪魔の様な男達でも、屑の様な男達でも同じ命。……殺せば殺人なのだから。だが、それを押し殺したとしても、この男達だけは、野放しにしていい筈がない、赦していいはずも無いのも事実だった。
「ずっと考えていたさ。あの牢獄の中で。お前を苦しめる方法に一番いいのはなんなのかを、な?」
死神は蒼い眼を更に一段階輝かせながら、そう言った。リュウキも、視線を細め、睨みつける。
「一番良いのは…… あの《閃光の娘の傍ら》に、死を与えるのがそうだった」
死神の言う、それが誰のことを指すのか、それを理解するのに時間はかからなかった。
「……貴様!」
リュウキの中のモノに、触れてはいけないモノにこの男は触れた。
逆鱗に触れられ、その怒りが全て弾丸に、そしてナイフに宿ったかの様に、超接近。銃を撃ちつつ、ナイフで攻撃した。
が、その軌道を正確に読んでいた死神が、銃弾を躱し、ナイフの攻撃を居なし、近接戦闘をしない様に大きく間合いを取った。
「そう、お前は自分自身よりも、他人をヤられるのが何よりも答えるんだったな。……だから、さっきもそう挑発したんだった」
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