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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第193話 温かい背中
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「いつまで、守りきれるかな? ……最後には無様に、オレ達に殺られ、そしてあの女が殺されるのを眺める事しか出来ないぞ」
相方でもある
死銃
(
デスガン
)
が抜けた事を確認すると、死神は銃の乱射を止め、リュウキに向き直った。
「光学迷彩、か。……臆病者であるお前らが好みそうな装備だ」
煙が晴れ、リュウキは銃口を向けながら言い切った。
「
死銃
(
デスガン
)
? 死を齎す? 本物の力? 生憎だ。……撃たれたが、オレは死んでないぞ」
丁度、中継カメラが数台集まってきて、リュウキと死神を映した。リュウキは、撃たれてまだ赤い円となってデジタル上の傷となっている部分に右手親指を向けると。
「何度でも言おう。お前たちには何の力も無い。……その銃に殺す力など無い。そうだろう?」
死神と呼ばれる男の方は向いていない。リュウキは、ただただ、中継カメラを眺めていた。
――……推測が正しければ、いや、もう確定だ。
自身は、撃たれたが、何ともない。何かあるのであれば、即座に意識が途絶え、そしてこの世界でのアバターが消え失せる。……回線が途絶えるだろう。だが、自分はまだこの世界にいる。あの死銃と呼ばれる銃から一撃を貰っても何ら関係ない。リュウキが問いかけたのは、死神だけじゃない。複数いる死銃のもう1人。……この世界の外にいる男に、言い放ったのだ。
「それとも、十字を切ってから撃たなきゃ効果が出ない……とでも言うか?」
更に、リュウキは、胸の前で十字を切る仕草をすると、そう言い放つ。
死神は、流石に苦虫を噛み砕いた様な表情をしていた。
死銃
(
デスガン
)
の種を、看破されたことに、気づいたようだ。
だが、笑みは崩さない。
「……で? それがどうした? ……お前が何を知ったのか知らんが……、あの女は死ぬぞ。オレ達の力を持ってすれば、な。あの世界で同様、お前は守れず、また、失うだけだ。餓鬼みたいに、涙を流し、苦しみながらな。 ……ククク、それにお前はただ怒りに、仲間を殺された怒りに任せて何も考えず、死を摘み取る意味を考えず、人を殺し、そして忘れていたただの卑怯者だ。 お前にこそが、何の力も無い」
ククリ・ナイフを抜き出すと、リュウキの方を向けて構えた。
「鬼、と形容する程の力を、あの時には確かに感じた。死神も驚愕する程のモノをな。だが、やはりお前もあの黒の剣士同様だ。……腐った現実の世界の空気を吸い過ぎだ。それに、あの程度で、アイツの追撃を掻い潜れるかな?」
ジャグリングをする様に、ナイフを廻し、巧みに操る。そして、ナイフを逆手に持ち直すと。
「ふっ!」
「!」
即座に、動き……、リュウキとの距離をゼロにし、再び超近接戦が始まった。
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