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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第193話 温かい背中
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1》
現実世界で、伝説とも称されている男が使用していた銃の1つだ。
恐らくは、その伝説的、狙われた敵側からは白い死神、味方側からは偉人と称されているその男が得意とし、扱っていた銃だからと言う理由で、あの銃にはかなりのスキルが備わっているのだろう。ばら蒔かれる銃弾だが、確実に狙いを定めてきている。覗き込んだ場所を正確に当ててくる。命中補正にかなりのプラスが備え付けられている様だ。
「……!!」
リュウキは、応戦をしようと、ある方向を見て、笑っていた。シノンはその笑顔の意味が判らず、何が起きたのか? と思っていたその時、その疑問にリュウキ自身が答える事になった。
「遅いぞ。……キリト」
リュウキの呟きとほぼ同時に、銃声が迸った。その銃声は先ほどの乱発されたマシンガンの音よりも大きい衝撃音だ。
そして、それが来たと同時に、辺を煙幕が包む。
銃弾によって、コンクリートの地面が削れ、砂埃でも発生したのか? とも考えたが、それにしては不自然すぎる程に、量が多い。
このビル壁の大穴を覆い尽くす程の量にまで広がった所で、その正体に気づいた。
「スモーク……グレネード……?」
そう、プレイヤーたちが好んで使っている、あの時、この傍らでいる男も、戦車を破壊するという離れ業を魅せた時に使っていた様な大威力のプラズマ・グレネードでも、ノーマルな火薬・ナパームの様な火炎でもなく、ただの無害な煙。
その煙を切り裂く様に、この場に現れたのはキリトだった。
「ごめん!! 待たせた!」
急ぎ足で、リュウキとシノンの傍にまでやって来るキリト。この状況に関しては、スタジアムの上から見えていた様だ。……リュウキが撃たれた事もそう、そして 撃たれたリュウキが倒れず、反撃して敵を、
死銃
(
デスガン
)
を吹き飛ばした事もそうだし、もう1人の男が現れた事もそうだった。
「キリト、ゆっくり話してる時間はない。急いでシノンを連れてここから離れろ」
「何?」
リュウキは、早口でキリトにそう告げる。勿論簡単に首を縦に振れる訳もなく、キリトが言おうとしたが……。
「今、一番危ないのは、オレでもキリトでもない。
死銃
(
デスガン
)
の
標的
(
ターゲット
)
はシノンだ! 頼む! しんがりはオレが立つ」
キリトの背を押しつつそう言うリュウキ。
死銃に撃たれて、死んでいない事があり、説得力も強くあった。……撃たれても、死なないと言う事が判ったが、リュウキは言った。
――シノンが一番危ない。
とだ。
「っ……判った!」
キリトはこの話を聴いて、直ぐに頷いた。今は感情よりも、優先すべき事があると言う事が判ったから。
「此処から北側に砂漠のエリアが
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