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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第192話 放たれた凶弾
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らない感情。それが離れていく気がして……。
――何を馬鹿な!
再び、妙な事を考える自分自身に、強く叱咤する。
――私は、BoB大会に優勝し、この大会で最強のプレイヤーになると言う目的を達成するために、ただ合理的に行動しているだけだ!
念じる様に、シノンは強く、強く、自身の右胸をぐっと拳で抑えた。
相手を一弾で……凶弾とも言えるたった一撃で、殺すと言う未知のシステム外能力で、大会を混乱させている死銃。……GGO世界の全プレイヤーの敵とも言っていい死銃は速やかに排除しておきたいし、それまでは、キリトやリュウキと協力するのもやむを得ない。でも、それが達成出来たら、彼らは敵に戻る。
「………判らない感情に身を委ねるのは駄目。全員を倒して、全部……全部……忘れる。……だって」
シノンは、何処か悲しそうな表情もしていた。……その事に、恐らく自分は気づいていないだろう。
――だって、もう二度と会うことはないと思えるから。
そう、思った瞬間に、心臓のあたりのチクチクを無理矢理呑み下した。多分、呑み下す事が出来たのは、一緒にいたのが キリトだけ、だったからだろう。……心を揺さぶり続けている張本人がこの場にいないから。
――それに、彼がもし此処にいれば、……きっと自分は自分じゃなくなる気がする。
シノンの中に確かに存在する誌乃が出てくる。弱い自分が、全面的に出てきてそして 委ねてしまうかもしれない。でも、それでは忌まわしいあの過去を忘れる、乗り越える事ができなくなってしまう。
シノンは、シノンの心のかなりの部分が、いつもとは違う思考に占められていたかもしれなかった。それを自覚したのは、ビル壁面の崩壊部をくぐる寸前。……死銃を狙撃する為に、狙撃場所を選び、移動していた寸前。背筋に強烈な寒気を感じた。振り向こうとし、それすらも出来ずに路面に倒れたあとのことだった。
――何…… どうして……!?
一体何が起きたのか、直ぐには判らなかった。背中がぞっと粟立って……視界の左の方で何かが光っていた。
《自分は撃たれたのだ》と、その時理解した。
そして、次にその撃たれた弾丸と放った本人を理解する事が出来た。デザートカラーのジャケットの袖を貫き、腕に突き刺さっていたその弾丸。いや、弾丸というよりは銀色の針の様な物体だった。
まるで、電流を流されているかの様な感覚が続く。
そう、この弾丸は、《電磁スタン弾》
先にペイルライダーを麻痺させた特殊弾と全く同じものだ。
その弾丸は、アサルトライフルやマシンガン、ハンドガンには装填できない。使用可能なのは、一部の大口径ライフルのみ。……そして、撃たれた
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