暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第192話 放たれた凶弾
[7/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ンが衛星端末で位置情報を確認している時系列。


 第3回BoB本戦の会場でもある広大な孤島の一角にある森林エリア。その場所は、比較的、早い段階で本当の意味での死闘を演じられていた場所だ。

 そして、あの銃弾が撃たれた。

 撃たれたその場所で、あのプレイヤーは、そのアバターを消滅させられてしまい、現実世界では物言わぬ身体に変えられてしまっているだろう。

 それは、疑うべくもない。

 何故なら、現実世界ではもう2人ものプレイヤーが死亡しているのだから。今更、アレは冗談だった。などとは言わないだろう。あの死神がそんなことを言うはずも無いのだ。



「がぁぁっ!!」
「ぐおおっ!!」

 そして、森林エリアから一気に田園エリアに向かって、風の様に走り続ける影があった。その通り道、遭遇したプレイヤーも、一蹴する。通りすがりの一撃、と言わんばかりに、素早く接近すると同時にデザートイーグルをゼロ距離で撃ち抜く。そして、もう更に1人は 既にHPバーが少ない事から、首筋にナイフで斬りつけて 残HPを吹き飛ばした。

「ち……っ!!」

 走る影の正体はリュウキ。
 バトルロイヤルの、サバイバル戦のセオリーの全てを忘れて、走り続ける。死神の言葉が頭から離れないからだ。


『守れるかな? 死神と死銃から、あの女(・・・)を……』


 凄まじい閃光と音響の最中、聞こえてきたその言葉。死神が言っていたあの女と言うのは……間違いなく自分の知る相手。この世界に来て、異性と関わったのは、彼女しかいない。


――かつての闇に触れ、そして、震えていた時に、光をくれた彼女。


 光をくれた、と表現出来る事は、自身の人生の中で、数える程しかない。いつの時でも、光は自分を照らしてくれて、そして助けてくれたんだ。

 ……でも、彼女は そんなつもりは無かったかもしれないし、ただ 不思議に思っていただけなのかもしれない。だけど、あの時。……リュウキにとっては、それだけ意味のある事だったんだ。

 約束の勝負の際、それを投げ出してでも感謝を伝えたかった程に。

 そんな彼女の身に、死銃が、死神が迫っていると言うなら。

「……させない!」

 足に力が入り、そして風になる。銀色に輝く風に。かの世界で閃光と称された彼女達よりも早く。
白銀の閃光を身に纏って。


――彼女は助けなど、求めていないだろう。この世界で戦う理由が自分たちにある様に、彼女にもあるのだから。


 それでも、リュウキがとる行動はもう決まっていた。

 衛星情報を元に、彼女の位置、そしてもう1人の位置を確認しつつ、先を急ぐ。2人はもう合流している様で、都市廃墟エリアにいた。まだ、離れている場所だが その位置は
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ