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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第191話 死神の鎌
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睨み合う両者。
「………」
「………」
一触即発、刀光剣影、そして両虎共闘。
それらの言葉がこれほどまでに、当てはまる場面が早々に始まろうとは一体誰が思っただろうか?
いや、かの2人の因縁、そして関係、性質を知る者はこの世界には限りなく少ない。
現参加プレイヤーで言えば キリト、そして 事実を教えられたシノンのみであり、シノンに関しては死神の事は知らない。……そして、キリトもまさか死神がこの世界にいる事を知らないのだ。故にこれから始まる戦いの意味を理解している者は少ないだろう。……別の世界で見ている彼女達を除いて。
「白と黒。……その中に赤を追加してやるから、期待をしておけ、か……。今日がその日になるな」
不意に死神と呼ばれる男、(これより名を死神と称す)がその歪んだ口を開いた。その言葉は、この男から言われた言葉ではない。自分の事を白と言う言葉で表したのは思いのほか少ないのだ。
イメージされているのは銀の方が色濃く、そしてまるで好んではいないが白銀と言う名前の方が圧倒的に多い。
だが、
笑う棺桶
(
ラフコフ
)
との戦いの際は、いつも周囲が薄暗かった。
その中で見せる輝きは銀ではなく、発光する為、最終的に視界に捉える色は光、即ち《白》
自分の事を、《白》と言い、そして色に血の色である赤を混ぜるといったのは、あの男だ。
「……所詮はお前も他の連中と同じ、か。 ただPoHに惹かれた憐れで愚かな連中と」
この男はNo.2と呼ばれている。
それは自称している訳ではなく、周りが決め、囁いた事だった。本当に実力のある者は、自称などせずとも、後からついてくるのだ。良いイメージも悪いイメージも。
そして、その死神は、殺しの数では、メンバーは愚かPoHをも凌駕しているとも言われている。
様々な噂が蔓延る中、結果的にはPoHよりも恐ろしいイメージを植え付けられたのも無理は無いだろう。だが、PoHの言葉を思わず使ってしまう、真似てしまうと言う事は、所詮は死神も、かの男のカリスマ性、所謂悪のカリスマ性に惹かれた無数の男達の1人に過ぎないという事実も考えられる。
「お前は所詮、あの男の、《PoH》の真似をしてるに過ぎない。……何が死神だ。身の程を知れよ」
リュウキは更に眼光を強め、デザートイーグルのグリップを強く握り絞った。
……無論、この男が他の変にプライドが高いだけの下手人、下衆であれば、それ程苦労は無かったかもしれない。PoHがその圧倒的なカリスマ性から、立ち上げ、纏め、1つの悪の形になったのが笑う棺桶。笑いながら、死者を受け入れる。……寧ろ生者を引き込む《死の箱》となった。
この男はPoHの影に隠れたもう1人のトップ。
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