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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第190話 ALOからGGOへ
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人が嘘をついているなんてことは思わない。でも、口にしなかった事が何かはある。と感じた。

――……ずっと、見てきたから。

 アスナはキリトを、レイナはリュウキを。
 2人の事なら、本当によく判る。……心を通い合わせた間柄だから。でも、それだからこそ、敢えて訊ねなかった。その理由は、其々の表情に出ていたから。……どうしても、言えない理由がある。でも、それが自分を、自分達を裏切るような内容じゃないことも、固く信じている。

 だから、2人は安易に踏み込まず、「頑張ってね」とだけ、強く伝えた。

 でも、あれ以来、なんだか得も知れぬ不安感が心を縛っている様に感じた。それはきっと2人とも同じだろう。漠然とした予感のようなものが、何かが起こる、いや もう既に起こっている、そんな感覚。あの世界で培われてきた感覚が再び蘇ったのだ。

 そんなアスナとレイナの顔を見て、そして聴いたリズは親友故、だろうか、第六感で察したかの様に、どこかあやふやな表情で頷いた。

「ふぅん。……バイト、ね。リュウキがバイトって聞いただけだったら、違和感バリバリだけど、仕事が終わったなら……ありかね? まぁどんなゲームでも直ぐにコツ掴むアイツ等なら適任なんだろうけど」
「んでもよぉ、それが なんでいきなりPvP大会出場になるんだ? リサーチってんなら街で他のプレイヤーに話聞くとかが仕事なんじゃねぇの?」

 クラインが発した問いに、皆首を傾げる。やがて、話を聞いていたシリカが口を開いた。

「もしかしたら……大会で優勝して、手っ取り早くお金を稼いで、それを実際に通貨還元してみるつもり、なんでしょういか? 確か、還元できる最低額が、かなり高いって聞いたことがありますから……」

 その発言を聴いて、アスナの肩のユイが即座に、あやふやな部分の情報を補った。

「公式サイトにレートの記載はありませんが、ネット上の記事によれば還元最低額は、GGOゲーム内の内通貨で10万クレジット、対JPYのレートは100分の1なので、1000円からとなります。プレイヤーの登録メールアドレスに電子マネーチャージ済みコードが送信される形式の様です。優勝賞金は300万クレジットとなっているので、金額還元すれば3万円となります」

 まさに、《立て板に水》と言うことわざが当てはまる、と思えるがこれはまさに今、ユイがネット上の膨大な情報をリアルタイムでまとめたものだ。そのサーチ速度及び、フィルタリング精度はどんな《検索の達人》も敵うものではない。それはキリトは勿論、アスナレイナ、そして あのリュウキも例外ではなく、ユイに頼む事は多いのだ。

「ありがと、ユイちゃん」

 アスナが指先でユイの頭を撫でてやってから、考え込みつつ言った。

「……還元システムそのものは、そ
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