暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第189話 死神は再び笑う
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サバイバル戦での心得は無いに等しい。絶対的に経験が足りないとは言え、的を射すぎてて返す言葉が見つからない。

「それに、さっさとりゅ……あいつとも合流するわよ。正直、どっちかといえば、アンタの方が危なっかしい印象が強い」
「そ、そんな事ないぞ! どっちかといえばあいつの方……っ!」

 キリトがそう言い返そうとしたその時だ。キリトの手に握られた光剣の柄から青紫色のエネルギーブレードが伸長した。シノンはそれを見て、いきなりの不意打ちをするのか? それでまだ戦っていない、と言う事を無しにするつもりか?と息を呑んだが、キリトはあっさりと視線を外した。キリトが見ているのは、西側。シノンもつられて視線の先を確認したら、その100m程先の大きな岩陰から何本もの赤いライン、《弾道予測線(バレット・ライン)》が殺到してきた。

 その瞬間、一気にフルオート連射撃を受けた。

 何者かの銃が吠え、迫ってくる中、シノンは突然の事で動けず、動けたのはキリトのみ。その光る剣を巧みに操り、迫り来る銃弾の嵐を次々と叩き落とした。

 この光景は、未だかつて、GGOの中では見た事の無いものだ。

 その剣捌きは、芸術とも言っていい程であり、連射する弾丸をほぼ全て弾いていく。……あのゲームのタイトル通りの剣技だった。

「うっそぉ……」

 キリトが全弾弾いたところで、ぽかんとした様な声が響いた。戦場で間の抜けた様な声を出すやつがいるか! といつもの自分なら思ったかもしれないが、流石にこれは相手に同情する。不意をつき、アサルトライフルで連射したと言うのに、モノの一発も当たらず、叩き落とされたのだから。

「一先ず、アイツからだな。今からオレが突っ込むから、援護宜しく」
「………了解」

 本当に妙な成り行きだ。これが心底思った感想。戦って殺すべき相手と共闘をするハメになる。


――……なんかの映画かなんか、かっての。


 そう思いつつも、へカートのウッドストックに頬を付けつつ照準を合わせていくのだった。




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