暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第189話 死神は再び笑う
[8/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
衝装置に選んだ。いつか、必ず怨念の深さよりも築いた自信の総量が上回る事を願っていた。

 そして、まるで運命だったと思える様な出会いした。……全てが良い方向に向いていたと思った。

 自身の心を見て、……その闇の深淵と向き合う事が出来る。この戦いとは違った形から、向き合う事が出来る気がする、と心の何処かで芽生え始めてきたと思っていたのに。

 ……そう思ってきたハズなのに。

「ノン、……シノン!」

 不意に名前を呼ばれ、はっと両眼を見開いた。遠ざかっていた視界がはっきりと映り、キリトの気遣う顔が現れた。清楚さ、妖艶さが等しく含まれた美貌を持つ……男。小憎たらしさが、どうしても、この男女には思えてしまう。

「……大丈夫。ちょっと驚いただけ。正直だけどあんたの話を直ぐに信じられないけど、でも全部が嘘や作り話だとは思わない。……アイツの言葉だってあるし。1本に繋がる所もあるから」
「ありがとう。今はそれで十分だ。……それで、シノン。何処か安全な場所に隠れていてくれ、なんて聞いてくれないよな?」

 まさかの提案をいわれて、シノンは大反応をした。

「当たり前でしょ!! アイツとの約束だってあるし。それにあんたとの決着だってつけれてないんだから! それに、《立てこもりのリッチー》みたいな真似なんて、冗談じゃないわよ!」
「……オレだけじゃない。これは、アイツきっての頼みでも、あったんだったんだ」
「……はぁ?」

 キリトの返しの言葉にシノンは思わず絶句した。リュウキ自身の頼みでもある、と言う理由が判らないのだ。リュウキも、必ず会うと言う約束をしたハズなのに。

「この戦いは最早、純粋なゲームじゃなくなってるんだ。……オレもそうだけど、リュウキは誰にも死んで欲しくないと強く願ってる。……これまで色々とあったから」
「………」

 シノンはキリトの言葉を聴いて、視線を落とした。
 あの予選決勝で言っていた言葉が、彼の全てだと思えたからそれを思い出していた。

死銃(デスガン)の話。それを信じてくれる人なんて、殆どいない。……信じてくれる。ましてや、大会中に話を聞いてくれる様なプレイヤーも殆ど無理だろう。だけど、少ない可能性でも信じてくれるなら……」
「……嫌」

 シノンは、はっきりと再びキリトにそういった。

「あんたにも、あんた達にも、色んな思いがあると同じで、私にも戦う理由がある。……絶対に聞けない。それに、この世界で絶対安全な場所なんて無いわ。衛星の届かない洞窟が北部にあるのはあるけれど、そこもグレネードを投げ込まれたりすれば即死だし」

 それもあるのだ。
 戦いを放棄し、逃げの一手をした所で、安全な場所なんて何処にもない。剣での戦闘であれば、何とかなるとは思うが、銃でとなる
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ