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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第188話 第3回BoB開幕
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た。
なんで、こんな事をするのか、判らない。……何がそうさせるのかが判らない。だけど、あの言葉を聞いた時から、だった。……まるで、自分の中に存在する詩乃の意識がシノンを突き動かしているかの様に。
『……任せろ』
リュウキは、シノンの温もりを背中越しに感じる。彼女の並々ならぬ決意と一緒に、その温もりを感じたのだ。
『生き残る。……また、向こうで会うまでは必ず』
リュウキはそう答え直した。必ず、生き残ると。
――ありがとう。
わずかに聞こえる程度のモノ。
背中越しに伝わる温もり、触覚と共に、その細い呟きが聴覚へと伝わり、脳内に言葉として伝わったその時。
温もりも離れていった。
〜待機ドーム〜
シノンは、精神を落ち着かせるべく、呼吸を整え直していた。装備は、間違いなく大丈夫だ。……この場所で見せる訳にはいかないけれど、別場所プライベートルームの1つで再度チェックは済ませた。
後は心、精神次第。
……震えてしまった後にまだ時間が1時間程残っていた事は本当に僥倖だと思えてしまう。それ程までに、衝撃が走った言葉だったから。
――……もしかして、あなたが。……リュウキが、彼、なの?
シノンのモノではない自分の中に存在するもう1人の彼女。弱々しい彼女がまるで、勇気を振り絞っているかの様に、そうつぶやいている気がした。
あの時、手を握ってくれた彼。
闇の中でうずくまっていた自分を立たせてくれた彼。温もりをくれた、……救ってくれた彼。
求める事こそが、弱さだと心に刻んでいた彼女だったが、それでも……、その心の深層域では、温もりを再び求めていたのかもしれない。
「ッ……」
シノンは自身の頬を2度、両手で叩いた。
可能性を考えたら0ではないと言うだけであって、全くの別人の可能性だってある。……寧ろその方が高い。それに、今は、そんな事よりも考えなければならない事があるから。
いや、……自分自身にとって、本心にとってそんな事じゃないかもしれない。
だけど、今は、今優先するのはそちらじゃない。力を出し尽くせないと、絶対に後悔が、悔い残るから。悔いの残る戦いをする事こそ、彼女が避けたい事なのだから。
「………」
シノンは視線を細めた。
まだ、大会スタートまでは時間がある。それまでに、今自分がしなければならない事は、再び《氷》になる事。一切の感情を持たない氷の狙撃手に戻る事。
この戦いで、再び彼と相まみえ、銃弾を交わす、その瞬間まで。
そして、場は更に騒がしさが一段階も二段階も増した。
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