暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第188話 第3回BoB開幕
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ぞ。そっちの気があるんじゃないか、と疑う程にな」
「ご、誤解だ誤解! 違うって!!」

 慌てて弁解するキリトと、淡々と歩き続けるリュウキ。そんな2人のやり取り、会話こそは聴いていないから、その容姿だけだから、どうしても絵になる。

 美少女の2人が、“きゃっきゃっ!るんるんっ!” と楽しそうに絡んでいるのだから。

「………」

 そんな騒がしい中でも、シノンはただただマフラーに顔の半分を埋めていた。まるで、この騒がしさも全く頭の中に入れていない様に。耳に届いていない様に。








〜数十分前〜


 この時シノンは、ただただ考えていた。……否、頭から離れない事があった。それは、さっきの酒場でのリュウキとキリトの会話にあった。闇を垣間見せたあの時の。

『っ……。責、任……』

 キリトは、リュウキが発した言葉を呟くと、視線を下へと向けた。……俯かせる様に。

『オレは、オレは負うべき責任から、ずっと……ずっと眼を空し続けてきたんだ。自分の行いの意味も考えようとせず。忘れてしまっていたんだ。……ただ、ただ ……キに……』

 そこでキリトは何とか口を噤む事が出来た。自分よりずっと深い闇を持っている男が目の前にいるんだ。リュウキと自分自身、その奪った命の多さで測るつもりはない。それでも、奪ってしまった命を、……最初にそれを実感したのも、リュウキだった。そこから自分が、自分達が続いた。先を征く者として、彼が道導べを作ったのだ。

 だから、あの日を思い出した今でも、あの時攻略組の犠牲が最小限で済んだのだと思う。一瞬の気の迷い。その隙を一切の躊躇いも無く突いてくるのがあの連中なのだから。

 そんな時、キリトは肩に感触を感じた。

『眼を逸らし続けてきたのはオレだって同じだ。……キリト1人じゃない』

 リュウキはそう言う。そして、シノンが眼を見開いたのは次の言葉だった。

『……《心に巣食った闇はそう簡単に消えるモノじゃない》。オレも、キリトも。必ず、アイツの事を思い出す。……絶対に』

 リュウキの言葉を聴いて、キリトはゆっくりと頷いた。これは、安岐ナースからも聴かされた言葉、だから。……そう、今はそう信じて立ち向かうしかない。正直、恐れはあった。……だけど、何を恐れる必要があるのだろうか?と今は思う。頼れる相棒がいるのだから。

 リュウキは、キリトの頷きを見て、そして その決意の眼を見て察した。こちらも、同じ気持ちだからだ。

 そしてシノンの方を向き。

『ありがとう』

 ただ、そう一言だけを添えた。この礼は沢山の事が含まれている。情報を教えてくれた事もそうだ。

『あ、い、いや……っ』

 この時、シノンは動揺しているのがはっきりとキリ
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