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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第185話 温もりの違い
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この答えは、綺堂にも一度、聞いた事でもあり、判りきっていた。隼人自身も、SAO事件に関しては色々と協力的だ。あの世界での事、情報を提供したり、データを揃えたり、としていたのだ。何人かのプレイをモニタリングしたデータは揃っているものの、何千と言う数の膨大なデータは無かった。
「名前、名前……」
隼人は呟く。
あの死銃と名乗る者の雰囲気、佇まいには、確かに覚えがある。だが、あの髑髏仮面の様なマスク、姿を覆い隠したボロマント、それらの中身が判らない以上、100%の確証は無かった。
幹部クラスの者の可能性はある、が、文字通りあくまで可能性だ。100%じゃない。
「あの男の名前は判らない。……だけど、判ってる事はあるよ」
「判ってる事とは?」
「………」
隼人の話に聞き入る渚、そして腕を組みうつむき気味に聞いている綺堂。2人を見ながら、隼人はゆっくりと答える。
「……死銃は1人じゃない」
〜東京都 とある公園〜
都内の公園だが、遊ぶ子供は皆無。
何故なら、遊具が2つしかなく、後は砂場が1つだけある寂しい場所なのだ。今日は日曜日だと言うのに、そこには子供の活気で賑わう様な声は一切無かった。あるのは2人の影。
「……ムカつく」
呟きながら、ガツン。と数少ない遊具の1つであるブランコの鉄柱を蹴り飛ばしていた。そこまで力を入れている訳ではないので、軽く揺れる程度である。
「……アイツ等」
何度思い出しても、そうだ。と言わんばかりだった。
彼女は《朝田詩乃》
この場所は自宅アパートから近い小さな公園なのだ。そんな彼女の傍らで、その行動にぎょっとしているのは、新川恭二、GGOではシュピーゲルと言うアバター名を使っている男だ。
「め、珍しいね。朝田さんがそんな……ストレートな事、言うの」
「……」
恭二の言葉に詩乃は押し黙った。
正直、なぜここまで怒っているのか、イラついているのか、その根源が判らない。……正直、あの2人の片方、あのキリトであれば話は別だ。
「だってさ……」
だから、詩乃はそちら側に対する不満を、イラつきをぶちまけた。足元に落ちている石を拾っては投げつけ、続ける。
「……図々しいし、セクハラやろーだし。GGOの中で剣なんか使ってるし! 何も銃の世界でそんな戦い方しなくてもいいじゃないのよ!! それに、あいつ、最初は女の子のフリして、私にショップを案内させたり装備を選ばしたりしたのよ!? ……ああ、あんな奴にパーソナルカード渡しちゃうし、お金貸しそうになるし。……ぶっ飛ばしたかったのに、どうして 私と当たらなかったのよ」
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