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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第185話 温もりの違い
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ム》を併用している事もあり、そのセキュリティが最高クラスなのは仕方がない事だ。生半可なモノにしてしまえば、大損害を被る可能性だってあるのだから。
「……死銃に関する事、判ったのですか?」
綺堂は隼人に静かにそう聞いた。
この件に関しては、隼人の口から出るのを待とうと思っていた。昨日、現実世界に帰ってきた時の顔を見た時に、そう思っていたんだ。
だけど、もう聴かなければならないだろう。
事実上現時点では無理、不可能と判った状態で個人情報、所在地まで聞こうとした事が後押しした。
「……」
隼人は無言で頷いた。
本当に心配はかけたくなかった。……だけど、知らされず、何も知らされず事になってしまうのも親不孝と言うモノだろう。
「死銃は、あの世界での、オレ達の因縁の相手だよ。……だから、オレとキリトの2人でケリをつけなきゃいけないんだ。……本当なら、罪を背負ってでも、あの時に全て終わらせておくべきだったんだ」
隼人は、そう言うと……両の手を握り、開き、……自分自身の両の手を見つめた。あの時の感触は 今でもはっきりと覚えている。脳裏に、記憶の奥に刻まれている。
――死銃と対面したあの時が切欠だったのかもしれない。
より鮮明に、あの世界での事が頭の中に蘇った。自分の何処かで、忘れたい。全てを忘れ去りたいと思っていたのかもしれなかった。背負っていく、生き残った者の責務を忘れて。
「……坊ちゃん」
綺堂は、いつの間にか隼人の傍に立ち肩に手を置いていた。隼人の葛藤を、全て理解したから。SAOの世界での大規模な戦争が会った事は事後調査で判っている。全てを知っている訳ではないが、その当事者である事は知っていた。目の前の隼人が、あの世界のトッププレイヤーの1人なのだから。
「……なのに、オレは忘れてしまっていた。背負うどころか、全部忘れて……、あの世界での事を忘れて。……オレは、責務、重荷、全部、全部忘れて。……ただ 子供みたいに強がって」
身体を震わせる隼人。
死銃を前にした時。……あれが、あの世界の亡霊だと言う事に気づいた時。正直身体の芯から震えていた。キリトの前だから。……傍に頼れる友がいたから、強がる事が出来たんだ。
「……情けない、よね? あの世界、仮想世界じゃ色々言ってるのに。……現実じゃ、ここに帰ってきた途端に。……オレは本当に臆病者、だよ。……全部全部失ったあの時と、大して変われてない」
隼人はそう言って、苦笑いを浮かべていた。
だけど、どう見てもそれは笑い顔じゃない。泣き顔だった。辛い、心底辛い。そう叫んでいる様に見えた。
「隼人坊ちゃん。……坊ちゃんが負った重荷も罪の意識も、私が取り除く事は出来ません。……そんなことを、安易
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