4話
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「あのくそバカ太陽が…」
腹立つ、何かすげぇムカついてるぞ俺。
何が恋愛的に好きだ、何が応援するだ、何がツンデレだこのやろぉぉぉ!!
衝動的に走りたい気分だがそんなことをしたら行動範囲が狭くなってさらに両親の怒りの鉄槌が降ってくる。主に精神的な。
本当はあまり行かないよう釘を刺されているが、俺は今屋上にいる。
どっかのドラマで見たみたいにちょっと叫びたい気分になった。
周りには誰もいねぇし、結構鬱憤たまってるからな、医者が止めに来たらゲームオーバーということで。
俺は息を吸い込み、第一声を発した。
「俺のどこが病弱だっつんだよくそやろーどm」
ガチャッ
あれ、なんか不吉な音が。
「何してるのかなー風間さん?」
俺は恐る恐る後ろを振り向いた。
「う、ふ、冬花さん…」
まずい。俺が一番苦手とする人が出てきた。
この人にだけは逆らえない。
久遠冬花。俺を担当している看護師だ。
「風間さん。もう一度だけ聞くわね?こんなところで一体何をしているのかしら?」
訳→もう一度だけ聞くけどお前の命はないと思え。
「え、っと…。ちょっと外の空気が吸いたくて?」
「そう。もう十分かしら?」
「は、はい」
「じゃあ、早く戻りましょうか?」
「はい」
この人ほど怒らせたら怖い人はいないと思う。
俺は強制的に病室に連れ戻された。
「全く、なんであんなところにいたのよ」
「いや、その、なんか急に叫びたくなって」
「叫ぶ?…何かあったの?」
「そんな大したことじゃないです。日頃の鬱憤ってやつですよ」
「日頃の鬱憤…」
「…あの、冬花さん」
「ん?何?」
「その、これはちょっとした疑問なんですけど…」
俺はそう前置きし、言った。
「どうして俺の親はあんな元気そうなのに、俺は《病弱》なんですか?」
「え…」
明らかに冬花さんは動揺した。
「これは俺の読んだ本に書いてあったんですけど、普通、病弱な子供は病弱な親から産まれるんじゃないんですか」
「………」
「それに、俺は今まで、何の発作も起こしたことがない。外に出ていないから、とか言われればそれまでかも知んないけど、ここまで何も無いのに、病院の外にすら出られないのはおかしくないですか?」
「風間さんそれはあなたの」
「冬花さん、俺に何か隠してませんか?」
冬花さんだけじゃない、ほかの担当医や両親が俺に何かを隠していると思い始めたのは最近のこと。
俺は、両親がなにか病気にかかった、かかっていたなんて話、聞いたことがない。
インフルエンザにも、風邪にも。
至って健康な、健康すぎる生活を送っている両親。
そんな親の子供が病弱?笑わせんな。絶対におかしい。
そんな疑
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