暁 〜小説投稿サイト〜
妖精の守護者 〜the Guardian of fairy〜
ゴーレム
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ますやる気になるわけにはいかなくなったな。
 何てったって、あの大会で万一にも優勝すれば、戦時下で戦うことだってあるかもしれない。
 まぁ、俺が万一にも優勝などできるわけないのだが。


「っていうことがあるんですよ、仙人」

 俺は、自分の心を清めるために、いつもの場所に座った。今日は釣り道具を置いてきたため、隣のお客さんの実力を見定めながら湖の心地よい空気を感じている。
 ここは、俺にとって唯一安らげる場所なのだ。家に帰ればリーゼにどやされる運命が決まっている。そのため、なんとも帰りずらくなった時、ここに立ち止まって夜空になるまでぼけっと立っているのが俺の日課だった。そのあと、更に怒られるという負の連鎖が待っているのだが、どの道怒られるなら、一緒のことだな。

「そうかぁ〜ゼス君は毎日大変だねぇ」

「そうなんすよ。俺ってば何でゴーレムなんてやってるんすかねぇ? もっとこう、大事なこと、あると思うわけですよ」

「なんか、転職を考えている人みたいだねぇ」

「実際、そのほうが楽かもしんないっす。俺、根性ないから、ゴーレムとか言う職業、向いてないっていうか」

「とりあえず〜ゴーレムは転職できないから、ね?」

 仙人は、俺に厳しい現実を突きつけた。俺の隣で竿を握る男は、釣仙人と呼ばれている(俺がそう呼んでいる)ここでボケッとしている俺を見かねて、竿を握らせてくれた、つまり俺に釣りの喜びを教えてくれた人生の師匠と呼んでも差し支えない。いつもニコニコと好々爺のように笑っている。俺がここに行くと、たいてい釣りをしているのだ。かなり暇人でやることがないに違いない。働けと一言言ってやろうかと、今度考えている。

「しかし、君も同じ愚痴ばかりだねぇ。そんなに嫌なら逃げちゃえばいいのにさぁ」

 それは、確かにそうだ。俺は常々そう思っていた。思ってはいたのだが、なかなか行動に起こせなかった。それは、なぜだろうか? 何か大切なことを忘れているような気がしないでもないくもない、が。

「あれだね、明日やろうって引き延ばしにして、結局やらないっていう」

「そうか……俺は怠け者だったのか……! くそ、今更わかっちまったよ!」

「……ほんとに、今更だよ〜」

 俺は拳を握り締めて、決心した。やっぱり仙人は尊敬できる。ここにくれば自分を見つめ直すことができる。更に新しい自分を見つけ出し、自分がどうすればいいのかという答えを見つけ出してくれた。

「ありがとう仙人。俺、わかりました」

「いやぁ、冗談だって、本気にしな」

「俺、ゴーレムやめます」

「いや、あの」

「それで、仙人のような釣りで生きていきます」

「いや」

「もう、自分から逃げたくないです」

「い」

「こ
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