暁 〜小説投稿サイト〜
妖精の守護者 〜the Guardian of fairy〜
ゴーレム
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んな。負けたものはしょうがねぇ。次があるだろ」

「昨日も聞いたわよそのセリフ! ねぇ、何かないの? 獣人みたいに変身するとか目から光線出せるとか腕が取れて飛んでいくとか」

「あいにく、健康的な体が取り柄だな」

  主人は俺に侮蔑と蔑みの目を投げつけ、やがて諦観したように無言で去っていった。背中には一緒に来るなとでもいいたげな殺気を放ちながら。どのみち、帰る家は同じなんだがな。というか、無茶振りが過ぎる。人間じゃあるまいし、そんな兵器みたいな機能、あるわけないだろ。

「しゃーねー……釣り道具は家だし、散歩でもすっか」


 俺の主人、リーゼロッテは妖精である。妖精っていうのは、御伽話に出てくる可愛らしい、小さな生き物……ではなく、そういう種族の名称だ。
 人間、獣人、ミゼット、エルフィン、そして妖精(フェアリー)っていうのがこの大陸で生活している。その中でも、大陸の北側、森で覆われた“ラー・ラガリア”と呼ばれる地域が妖精たちの国になっている。どの種族とも関わらず、自らの持つ魔法と知恵によって築き上げた妖精王率いる謎の多い生命体。
 その妖精にとって、作られた戦士。それが俺たち機動兵、通称ゴーレムと呼ばれる自立型魔法生命体という妖精魔法によって作られた人形だ。
 妖精は強力な魔法を扱うが、その反面、肉体的にはどの種族にも劣る。それを補うために、壁としての役目を果たすのが俺たちの仕事。
 感情を持たない、人形。主のために命を捧げる戦士。優れた身体能力を誇る守り手。
 え? 俺? 俺もゴーレムだよ。その割には色々違うって? はっ! 俺はあんな脳筋たちとは違って、頭で勝負するタイプだからな。
知能タイプのゴーレム、なんとも使えない響きだった。

「あー……俺、本当にゴーレムなんだよな? 感情あるし、あいつに命を捧げるなんて嫌だし、弱いけど、ゴーレムなんだよな? なぁ?」

 誰に問いかけるでもなく、俺はつぶやいた。住人が不思議そうに俺を見つめている。変人に思われただろうか。気にすることはない。もともと、俺は村人にとって奇異な目で見られている。
 ゴーレムなのに、感情を持っていること。
 連中にはそれが不気味で仕方ないらしい。

「おい」

「…………」

「おい、そこのハゲ」

「……ゼス、家はゴーレムに売るもんは何もないよ」

 店屋のハゲはいつも俺に冷たい。こいつは俺の主人、リーゼロッテのファンであいつのゴーレムである俺のことが嫌いなのだ。マジでロリコンくそハゲ頭である。

「聞いたぞ。また負けたんだってな? お前は村の中でも一番のゴーレム使いであるリーゼロッテちゃんのゴーレムなんだぞ? 少しは自覚を持たんか」
「リンゴ一つくれ。代金はリーゼロッテにツケな」

「大体、お前は何者だ
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