§4 転校する魔王
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ゃ適当ですんでたからなー……」
寧ろメンドクサイから展開していなかったまである。須佐之男命に大口をたたいておきながらこれは少し情けない。気落ちした自分を励ますように自販機で紅茶を購入。景気づけに一気飲み。心機一転。
「うし、もうヘマはしない!」
「ま、私としてもそれを願ってますよ。缶ジュースを一人で買って一人で飲んでせっかく気合い入れておきながらヘマしたら情けなさ過ぎますしねー」
「……」
この狐は淡白だった。紅茶を一人で飲み干したのがお気に召さなかったらしい。そういえばこの狐様は紅茶が好物だということを忘れていた。今から買おうにもさっきので最後だったらしく売り切れ。
「……ちゃっちゃと帰って休憩しますか」
どうやら帰宅してからの最初の仕事はエルのご機嫌とりになりそうだ。きっとキツネに頭が上がらないカンピオーネも、やっぱり自分だけだろう。自由奔放をしていると噂に聞いた後輩達を想像して、ほんのり切なくなる。いつか自分も彼らのようになれるだろうか? ……なったとしたら自分は何を望むだろう?
傍若無人の例としてもっとも一般的(だろう、と黎斗がかってに思っている)酒池肉林を想像してみる。要素として挙げられるのは酒、食料、好みの異性達、それらを用意する経費。こんなところだろう。
資金……マモンの権能があるから問題外。「金をよこせ!ぐへへへ〜!!」なんて馬鹿な真似をする必要がない。寧ろ多すぎて使いきれない。純金の宮殿を全ての国に建造することだって余裕なのだから。
食料……ありあまる財に任せて買い漁る。流石に食料を作り出す権能は持ち合わせていないが少名毘古那神の力で農業するのも悪くない。
酒……少名毘古那神の権能によりやっぱり問題外。好みの酒を作れてしまうので買う必要もなし。まぁ、問題にはならないだろう。
好みの異性、もとい女。暴君の必須事項にして歴史上の亡国に学ぶまでもない最重要項目……無理。美女侍らせるとかそんなキャラじゃないし。数人居るだけでお釣りがくる。っか心臓が破裂する。気後れするレベルの美女によるハーレムとか精神が耐えられない。土下座して逃げ出す自信がある。まぁ、実現可能か不可能か、という事なら余裕で可能だったりする。恐るべしディオニュソス。
「あれ……?」
なんだ、全部実現可能ではないか。天上天下唯一独尊を普通に出来そうだ。もしかして自分は位人臣を極めた全てを超えしもの?
「HPは1000万〜♪」
「……マスターが壊れた」
失礼な発言を繰り返すエルにデコピンをお見舞い。黎斗は帰り道を意気揚々と歩き出す。狐との力関係、というそもそもの考えの出発点を、忘れてしまったお気楽モード。
天気がいつの間にか崩れていることにも、闇が濃くなってきていることにも、気づ
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