§4 転校する魔王
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もいくつかあるが、根本はこれだ。
彼が永きにわたり生存してこれた最大の理由。”戦いを避ける”力。神々が本気になって探ったところで、彼をカンピオーネと気付けるかはわからない。直接顔が割れている須佐之男命やアテナを別とすれば、彼をカンピオーネと見抜ける者はおそらくいないだろう。
だから、警戒するのは日常からの露見。妖狐と言語で怪しまれ、護堂に探索魔術を使われたら叶わない。
須佐之男命の話では現在のカンピオーネもやっぱり基本的に組織を作っているらしい。そんな真似は自分には無理だ。政治のゴタゴタは勘弁願いたい。バレて組織作成とか罰ゲームすぎる。
「護堂に黙ってるってのも心苦しいけどねー……」
須佐之男命、エル以外にも愚痴れる仲間は欲しいものだ。そんな呟きは、休み時間の喧騒にかき消されすぐに消えた。
「ご、護堂先生流石です……」
一見すると正統派ツンデレのオーラが見えるエリカがデレ100% しかも周囲の女子から彼に対する熱烈な視線を感じる。これが彼の権能なのだろうか?
「ったく、どこのギャルゲ主人公だよ……」
思わず口に出してしまった。まぁ、あの二人に聞かれていないしいいや。などとぶつくさ言いながら自席で昼食を再開する。護堂に誘われてはいたものの、馬に蹴られて死ぬのは御免だ。他人の恋路を邪魔する者は馬に蹴られてなんとやら、そんな単語が頭をよぎる。だいたいあの中に割り込む勇気など黎斗は持ち合わせていない。
「これか、これが勝ち組か」
感傷に浸っていれば肩に手が置かれる感触。振り向けば三人の男子がそこにいた。
「オレは高木、こっちは名波、そして反町。我らは草薙護堂による美少女の独占に抵抗する非モテ同盟だ。男子転入生と聞いてどんなイケメン野郎かと警戒したが思ったより普通で安心した」
さり気なく酷いこと言われてる気がするが高木と名乗った少年の雰囲気に黎斗は反論を諦めた。
「そして君の瞳に宿る嫉妬の炎…… 共に草薙護堂に対して天誅を下さないか?」
ようはモテる男にモテない男共の嫉妬をぶつける、と。護堂と三人、どちらをとるか。
黎斗は、迷わなかった。無言で手を差し出す。
護堂、恵那の他に三人のメールアドレスを黎斗はこの日に入手することになる。ちなみに須佐之男命は適当ににかけても繋がるから登録の必要無し。神様万歳。
「……?」
アドレスを交換している最中にふと、妙な気配を感じ廊下を眺める。美少女と目があった。彼女は驚くと慌てて目を逸らし立ち去ろうとする。最後に護堂の方を一目見て、彼女は立ち去った。ピンポイントでカンピオーネを見ていたということは彼女が件の巫女だろうか?
しかし、ありえない。「流浪の守護」が展開されているのだ。現に護堂もエリカも気づいた
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