動き出す未来
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「ついてねぇ……」
退院はしたはいいものを、俺は自室で机に向かって勉強をしていた。すぐに学校に行こうと考えたが、レイナが『だったらまず、高校一年生の範囲を全て熟知してから通ってください。テストとかは私が先生から沢山預かっておりますので』と言っていたので、どうやら先生達もテストで平均点以上の点数をとらない限りは留年確定らしい。
「まあ案外簡単だからいいんだけどな…次は暗記が主の世界史か。これまた面倒くさいものを…」
どうやら俺は記憶喪失になっても、今まで得た知識までは失われておらず、すぐに内容を理解する。まあ記憶喪失だから、失った分容量でも空いたんだろうな。ははっ…。
勉強を開始してまずは一学期最初のテストでクラス平均54.1点らしく、俺は初っぱなだから74.6点で無事通過。一学期終了前のテストでは59.3点に対して78.4点。二学期最初のテストは50.5点に対して76.6点。てかクラス平均低いな。
「はいレイ君。最後のテストです」
「あ〜はいはい」
「全く。ちゃんとやる気あるのですか? 」
「いや無い。けど安心しろ。ちゃんと勉強はしたから」
「はぁ……。まあ頑張ってください」
レイナは部屋から出ていき、俺は最後のテストへと取りかかった。
ーーー−−
「って一年生終わってんじゃねーか!! 」
テストが終わり見事に条件をクリアするも、なんと既に四月に入っていた。
「この時期なら行っても不自然では無いでしょう。気にしなくて問題ないです」
「俺の人生に問題ありまくりだ!記憶喪失のオマケにさらに十ヶ月も寝ていたんだぞ!?どんだけ時間たたせる気なんだよ!?どんだけ俺の記憶を飛ばす気なんだよ!? 」
「冷静になってくださいレイ君。ツッコミを入れた所で何も変わりません」
「ぐっ……! 」
「さあレイ君。そろそろ学校に行く時間ですよ」
「……分かった」
制服に着替え、鞄を肩にかけて靴を履く。
「そんじゃ行ってくる」
「「「「「レイ兄ちゃんいってらっしゃーい! 」」」」」
「行ってらっしゃいレイ君」
ーーー−−
俺は入学式の日と同じように通学路につく。まわりの人は『学校嫌だー! 』や『カムバック春休み! 』と叫んでいる奴もいるが、俺からしたら、転校生の気分である。だって一日しか学校来てねえんだもん。
そのまま昇降口に行き、クラス変えをしたらしくズラーッと名前が書かれている表が貼られていた。『二年四組』が俺のクラスだ。
ーーー−−
入学式兼始業式を終えてクラスに戻る。そのまま一人一人が自己紹介をする。ちなみに担任は我妻だ。生徒の気持ちをきちんと理解し、入学式兼始業式が始まる前に『校長の話は右の耳から
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ