暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
解かれる結び目 11
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
り強い人はいなかった。少なくともそんな人には出逢ってない。
 なのに、こんなにあっさり……?
 「…………!!」
 「!」
 アルフに抱き寄せられて、正気に戻る。
 音を断つ空間を戻さないと!
 「……んだ、レゾネクト! 俺は貴方じゃない! 貴方自身を探る為に俺を代用したって、貴方を知る事はできないんだよ!」
 私の肩を抱くアルフの腕が震えてる。
 「さっきは同じだと言っていたが?」
 「気持ちの有り様が違う! 貴方はマリアを愛してないし、護ろうともしてない! そういうものを持たないまま知ろうとしても、貴方の答えにはならないんだ! だから」
 「俺自身が無いのと有るの、持つ前と後とでは違う? なんだ? これは最初の問いに答えているものなのか? ずれている気がするな。……そうだ。俺は何故、この世界に居るんだ? 何故、貴様等と戦うんだ? 神々は何故、俺を殺そうとするんだ?」
 声が届かない……。
 この男性に、アルフの声は届かない。
 「レゾ……っ」
 「アルフリード!」
 強引にアルフの顔を引き寄せて唇を重ねる。
 驚いて丸くなる瞳に、真剣な表情の私が映った。


[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ