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逆さの砂時計
解かれる結び目 11
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の命を狙って襲いくる相手にも。
 一度は必ず話を聴こうと、友好的な態度で向き合っていた。
 それもアルフの強さだと知ってはいるけど、今回ばかりは勝手が違う。
 相手は、世界中に恐慌をもたらしている『魔王』なのよ!?

「いまいち理解できないんだが。その手を取れ、という意味か? それは、俺の疑問に答えていることになるのか?」

 レゾネクトは、不思議そうに。
 本当に不思議そうに、アルフの手を見て首を傾げる。

「そうだ。貴方が探している答えは、破壊じゃ見つけられない物なんだよ、レゾネクト。見方を変えてみよう。俺達と一緒に来て、俺達と同じ目線で、物事を見るんだ。そこに貴方が求めている答えがある。俺が教えてやるよ」
「アルフリード、お前……っ!」

 ウェルスがアルフの肩を掴んで止めようとする。
 でも、アルフは笑顔のままレゾネクトを見てる。

「大丈夫だ。……レゾネクト、貴方はまだ出会っていないだけだ。生まれた理由も生きる意味も、一人じゃ絶対に見つけられないんだよ」
「貴様は自分の理由や意味が解っているのか。そうだ……そうだな。神々に与えられた使命が()()なんだろう?」
「残念ながら、俺にとっては、それはきっかけでしかないよ、レゾネクト。俺が生まれた理由も、生きる意味も」

 アルフが肩越しに振り返る。
 戸惑って動けずにいる私を見て、笑った。
 嬉しそうに、少し照れくさそうに、笑った。

「マリアを愛し、護る為だ」
「……っ!?」
「俺は、マリアを愛する為に生まれて、マリアを護る為に生きているんだ。貴方もきっとそう。誰かや何かを愛して護りたいと思ったら、それが理由で意味なんだ。その気持ちこそが貴方自身なんだ。理由も意味も、映す相手や物を自覚する前に破壊していたら、絶対に見つからないんだよ」

 レゾネクトは自分自身を見失ってる。
 自身の存在自体に疑問を持ってる。
 だから、破壊行為で自身の存在を確かめてる。
 アルフはそう言いたいの?

 って、尋こうとしたのに、言葉が喉に詰まった。

 愛してる?
 アルフが……私を、愛してるって……

「そうか。つまり貴様は女神マリアが死ねば理由も意味も無くなるのだな。ならば、女神マリアが死んだ時、貴様はどうなる?」

 レゾネクトがすぅっと立ち上がる。

「生きる意味や理由を失ったら、その生物はどうなるんだ? 元々無いのと変わりないのか? 知りたいな。ああ、言葉で答えなくても良いぞ。見れば解るから。そのほうが早い」
「! レゾネクト!」

 レゾネクトが消えた?
 空間を探って……私の真上? 跳躍した!?

「もうやめるんだ、レゾネクト!!」
「耳を塞げ!」

 アルフとウェルスの叫びに、コーネリアの歌
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