第3章 リーザス陥落
第50話 預かる命、解放の時まで
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すまでは……」
「ああ。もちろんだ」
ユーリはニコリと笑ってかなみの頭に手を乗せた。それを見て、涙目になったかなみは、すっと目を拭っていた。
涙も、その時の為に取っておこうと決めたのだ。
「心よりお礼申し上げます。ユーリ殿」
「返しきれぬ恩義。いつか必ず……」
「良いさ。かなみは、大切なオレの友人。……友人を見捨てる事は、オレには出来ないからな」
バレス、そしてエクスとハウレーンはユーリに頭を下げてそれに答えるユーリ。その目は互いに信頼し合っている様にも見えたのだった。
そして、話はヘルマン達の勢力数について。
「私が調べた結果によると。……リーザスの国を占領しているのは、ヘルマン第3軍。……人類最強と称されるヘルマンの英雄、《トーマ・リプトン》が率いている軍勢です。数にして1万。そして他にもリーザスの洗脳部隊も約1万、そして魔物によって構成されたモンスター部隊が2万となっています」
真知子はよどみなく答えたが、流石に唖然とする数だった。
このカスタムとリーザス軍の全員を合わせても一万の半分にも満たない数なのだから。何をするにしても数の規模が違いすぎるのだ。
「そりゃ、半端ねえじゃないか……真知子。こりゃマリア、ちょっと無理だぜ」
流石の男勝りのミリも戸惑ってしまう数。数の暴力とは言ったものだ。だが、ユーリは首を横に振った。
「ミリ、大丈夫だ」
「何が大丈夫なんだよ。いくらユーリでも4万の敵相手に暴れられるのか? まさかだが、『オレ様は変身を後3段階残してるぜ!』的な感じで戦えたりするのか?」
「……なんでだよ。漫画の見すぎだ」
ユーリは、ハリセンでミリを叩いた。
いつもながら、何処から持ってきてるのだろう?と思ってしまうがそこはスルーだ。
「いえ、ユーリ殿の言うとおりです。恥ずかしながら我が軍のように、敵に洗脳されているリーザスが精鋭たちが各地に潜伏しております。それらと合流、解放できれば……」
「がーっはっはっは! 成る程な、サファイアちゃんのよーな、可愛コちゃんが操っているとなると、オレ様の出番だな!」
「なかなか話に加わらなかったと思えばそんな所だけ加わって! 真面目にしなさい!」
「馬鹿言え、面倒くさい話など、下僕のユーリが全てするのだ」
「だーから、誰か下僕だっての……」
ユーリは呆れていた。
下僕発言もそうだが、あの幻覚の中……相当ヤった筈なのに、もう精力が戻ってきているのか、という部分も強かった。ランスは1人で盛り上がっているようだから、ほっといて先に話を進める。
「リーザス解放軍はそれで強化出来る。強化しながら進軍を続ければ勝てる筈です。……正義は我らにあるのですから」
「そう! 其の通りです! そして何よりもっ!
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