暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
GGO
〜銃声と硝煙の輪舞〜
進路の行方
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とともに、目先の地面が爆ぜた。



爆発とはまた違う。爆炎や爆煙などが一切出ない、言うなればそう、自然災害の土砂崩れのような、そんな爆発。

人の頭どころか、下手なダンプのタイヤほどの大きさを誇る岩が、大量の土砂を伴って水柱ならぬ土柱を作り上げた。

「……あぁ、なるほどね」

もうもうと吹き荒ぶ土煙の嵐を透かし見るように目を細めた少年は、小さく呟いた。

ゆらり、と。

ALOの華やかな妖精の出で立ちとは違う。周囲の景色にいかに溶け込めるかという一点で追及された迷彩服(BDU)を着たアバターが立ち上がる。

しかし、その妙にギクシャクした動き方は、どこか糸に吊るされた操り人形を想起させられた。そして、その肩口――――

厚い布地を突き破るようにして生える、毒々しい黄に発光している植物とも言えないモノがあった。

不敵な笑みを、だがどこか引き攣るような笑みを浮かべたレンは、衝撃から早くも脱して立ち上がる。

「距離によって操れる度合いが変わる……か」

―――HP全損したアバターの身体は動かせない。つまり繋がっているのは視覚と聴覚のみ。だから操るのも容易……ってこと?

無論そんなわけはない。

そもそも人間は与えられた二本ずつの手足を操るだけで精いっぱいの生物だ。コイツが操られている間、本体のフェイバルが無防備になるなどあり得る訳がない。自然、アイツは計四本ずつの手足を動かしていることになる。

そんなこと、可能なのだろうか。

近づけば近づくほど、見通せば見通すほど、あのプレイヤーの《底》が見えなくなる。

その感覚に少年が歯噛みした時に、心の奥で《鬼》が唸った。

―――レンよぉ。お前ぇまさか……これ以上出し惜しみする気じゃぁねぇよなぁ。

「………………………………………あぁ」

ドグン、と。

身体の奥底とは別の……ナニカが胎動したのをレンは感じた。

それは少年の手を閃かせ、腰のベルトにキツく巻きつけておいた《ソレ》を千切り取らせた。

そこまで厚さはない、正方形の物体。

色は、ツヤのない黒。しかし、光を一切反射させないその表面は、まるで光さえも喰らっているような不気味さを与える。

それは、れっきとした武器。レンにとっては、何よりも重い思いが籠った、慣れ親しんだ得物。

だがそれは同時に、GGO(ここ)にあってはいけないものだ。

そう、そうだ。

片鱗はあった。これがただの武器ではない、と。

SAOがクリアされた際、内部情報――――つまり所持アイテムなどに関する情報は全てアインクラッドの崩壊とともに白紙となったはずだ。

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自分はALOでも、これ
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