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絶対魔王と氷結姫
絶対魔王と氷結姫
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の腕だった。この場での生きている人間は氷雨しかいなかった。

氷雨は左腕を失った。しかし顔色一つ変えずにコツコツとサラディウスに近付いて切っ先を向けた。

「・・・・・・一つだけ良いかしら?」

目を閉じたままサラディウスが口を開いた。
氷雨は動作を一瞬停止した。

「・・・・・・何よ。言いたい事があるなら言いなさい。こっちも立ってるので精一杯なんだから・・・」

目はサラディウスを睨み付けたまま、口を動かす氷雨。その口調は何処か悲しみが見え隠れしていた。

「私達魔族と人間は初代魔王の時に戦争を起こした。それは魔族が人間界の大陸を支配しようとしたから・・・・・・と人間の歴史ではそうなってるけど実際は違うわ。初代魔王はただ友達が欲しかった。ただそれだけなのよ」

「・・・・・・え?」

サラディウスが語り出した内容に氷雨は絶句した。しかしサラディウスは其れを無視するように話し始める。

「あなた達人間だって告白なんかする時に仲間に勇気をもらって伝えに行くでしょ?私達の先祖も其れと同じだった。皆と友達になりたくて部下である魔族達を引き連れて友達になろうと言い放った。 でも人間達は先祖を恐れおののいた。魔族と言い、嫌悪した。しかし其れでも諦めずに私達の先祖は人間と友達になるために言い続けた。 しかし其れを拒絶した人類。魔王は何がなんでも認めて貰うため孤島を占領したのよ。しかし初代はすぐに病没した」

サラディウスはここまで一気に言うと深く深呼吸をした。

「・・・ごめんなさいね。続けるわ。
私達魔族は元々魔法が使えた。其れを何処から聞いたのか、人類はますます私達を嫌悪した。そして人類にも魔法が使える人物達が現れた。原因は不明なんだけどね・・・。
其れから月日が流れていつ間にか私達魔族の領域が魔界になってた。人類の台頭。人類は私達を人間界の大陸から追い出した挙句、今度は人類同士で戦争を始めた。いつしか私達魔族の考えも変わって行ったわ。友達から敵へとね・・・・・・ゴホッゴホッ!」

口から血を吐き出しながらも話を続けるサラディウス。

「愚かなモノね人間も・・・・・・。自らの種族を・・・同じ人類で殺し合いをするなんて・・・ゴホッ、そんな人類に注目したのがこの私、サラディウスよ。・・・・・・はぁ。私は人類の滅亡を防ぐ為に戦争の抑止力となった。けど力による抑止力は長く持たない・・・そんな事は解ってるわ今まさにその状況だもの・・・。話がズレたわね。人類の戦争は私達しか止められなかった。まだあなた達は聞きなれないかも知れないけど、人類は核兵器を製造・保有しているわ」

氷雨は聞きなれない単語に首を傾げる。

「核・・・兵器・・・?」

「そう・・・核兵器とは核分裂の連鎖反応、もしくは核融合反応で起こる膨大
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