第六十七話
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段通りですよ。アレのことは道端の石ころと同じ扱いをすることにしましたから。
「久しぶりだな、ネギ」
「……本当に父さんなんですか?」
おや?アレの様子がおかしいですね。お父さんのことを疑っているみたいです。
「どっから見てもお前の父親だろうが。それとも何か?幻術とか変装だと思ってるのか」
「武道大会に出ていたのも父さんなんですか」
「そうだよ」
「嘘ですよね、父さんが三位なんて。だって父さんは英雄で偉大なる魔法使いで」
「残念だが三位なのは事実だ。それに英雄や偉大なる魔法使いなんてものは周りが勝手に言っているだけだ。オレはそんな物に興味なんて無い。そして、お前は何をしているんだネギ。妹を守ろうともせず幻想を追い求めて、何がしたいんだ」
いきなりの全否定にアレが唖然としています。いい気味ですね。それよりもお父さんはどうやら本音や現実を叩き付けることにしたみたいですね。
「僕は父さんみたいに」
「何だ、英雄になりたいのか?なら戦争が起こるのを待って敵を殺しまくれ。そうすれば英雄だ」
「違う!!僕は困っている人を助ける立派な魔法使いに」
「人を救うのに魔法はいらねえ。人を救うのに必要なのは心から救いたいという気持ちと僅かばかりの勇気だ。魔法はそれを手助けするだけの物だ。そして俺は心から救いたいと思った人はアリカだけだ。大戦が終わってから人を助けていたのはただの罪滅ぼしの気持ちからだ。俺はそう話したよなネギ」
「嘘だ嘘だ嘘だ。父さんならそんなことは言わない」
「お前が俺の何を理解しているんだネギ。これが現実だ。幻想を追い続ければ、いずれ理想と現実に追い込まれる。その先に待つのは破滅だけだぞ」
「違う、そんなことはない」
「何度でも言っ「少し落ち着けナギ」……あ〜、すまんちょっと感情的になりすぎた」
「だろうな。さてネギ、今度は私からだ」
「母さん」
今度はお母さんからですか。どういう風に話すのか見物ですね。
「例えばだが目の前に10人のケガ人がいるとしよう」
ああ、なるほど。どんな話をするのか分かりました。
「どの人も苦しそうだ。そしてお前の手元に薬が9つある。さあ、どうする」
そう言うと同時に幻術で作られた10人のケガ人と9つの薬がアレの目の前に現れる。
「えっ?」
ケガ人は本当に今にも死にそうにうめき声を上げるだけで、それでも必死に生きようとアレの方に顔を向けます。ちなみにこのケガ人達、老若男女が揃っています。
「早くしなければ全員死んでしまうぞ」
その言葉でやっとアレが動きます。薬を手に取り、そこで手が止まってしまいます。大方誰から治療すれ
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