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迷子の果てに何を見る
第六十五話
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止める。5枚中3枚を一撃で抜かれる。ちょっと待て、此所まで簡単に抜かれると自信を無くしそうになるから。でもこれで一つだけ分かった。シンの姿に似ているがアレはシンじゃねえ。生まれたばかりの子供みてぇなもんだ。
障壁で止められていない方の腕で殴ってくるのに合わせてクロスカウンターを決め、れなかった。寸前で腕が止まり膝で蹴り上げられる。うまいこと頭を揺らされる。うん、負けたなこれは。次の瞬間、オレを殺さないぎりぎりの威力の拳が顔面に突き刺さった。マジで痛てぇ。


side out



side アリス


『8、9、10。勝者、天流・M・零樹選手』

勝った?零樹がお父さんに?英雄相手に勝利を手にした?
魔法関係者のほとんどが唖然としている。特に麻帆良学園の関係者が。英雄が目の前で負けたのだから。
だけどそんなことを全て思考の外にやり零樹に駆け寄る。今にも倒れそうな零樹に肩を貸すと零樹の姿が元に戻り始める。

「すみませんね。思ったよりも消耗が激しいみたいです」

顔から生気がごっそりと落ちた零樹が申し訳なさそうにしています。
とりあえず医務室に連れて行きましょう。

「誰か、担架を」

私が声をかけるとすぐにスタッフが零樹を担架に乗せる。他にも池に飛び込みお父さんを引っ張り上げて同じく持ってきている担架に乗せて運び出そうとした所でお母さんがそれを止めます。

「気が付いておるのだろう、ナギ」

「起きてるよ。頭がくらくらして気持ち悪いけどな」

「零樹も無事か」

「ええ、なんとか」

「そうか、ならば今此所でいいだろう。零樹、アリスをよろしく頼む」

「それは」

「ああ、お前達の結婚を認めよう」

「本当ですか」

「嘘を言ってどうする。今のお前にならアリスを任せられる。寂しくはあるが娘の幸せの為なら我慢も出来よう」

「まあ、戦闘力に関してはぎりぎり及第点だからこれからも修行は怠るなよ」

「ありがとうございます」

「ありがとう、お母さん」

「うむ、それから式を挙げるなら早めにしておくと良い。色々あって私達は挙げる暇が無かったが娘の晴れ姿位は見たいからな」

「そういう話は追々ということにしておきましょう。まだやらなければならないことがありますから」

その言葉と同時に関係者全員が身構える位に強大な敵意が会場を包み込みます。

「父さん」

「零樹」

師匠が私達の近くに歩いてきます。明確な敵意を発しながら。
それに向かい合う様に零樹が立ち上がります。

「やっと、僕も父さん達と同じ場所に立てましたか?」

「お前にも巣立ちの時が来たようだ。次の試合、それが
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