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迷子の果てに何を見る
第六十四話
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は槍には大剣と杖、気弾と魔法の射手には同じく気弾と魔法の射手を、重力魔法とチャクラムを瞬動で見事に躱す。それでも幾らかのダメージを与えることには成功している。このまま

「見切った」

「なっ、がはっ」

突如首を掴まれ舞台に叩き付けられる。今の僕の身体は雷系の上位精霊と変わらない。つまりは実体を持っていないにもかかわらず掴まれて叩き付けられる。すぐに起き上がり距離を離す。

「なんだ?もしかして上位精霊と殴り合ったことが無いのか」

「戦りあったことならありますけど」

「まあ、その時の経験で実体の無い奴らの殴り方はマスターしてるんだよ」

デタラメすぎる。父さんもそうだが目の前に居るナギさんも十分にデタラメな存在だ。

「さて、ウォーミングアップはこれ位にして。契約に従い我に従え高殿の王、来れ巨神を滅ぼす燃ゆる立つ雷霆。百重千重と重なりて走れよ稲妻。千の雷、術式固定、掌握」

「なっ、ナギさんも闇の魔法を」

「ああ、上級殲滅魔法1発が限界だがな。それより」

次の瞬間、また舞台に叩き付けられる。

「余所見をしていていいのか?」

全く反応出来ない速度で後ろに回り込まれたのだと判断。状況から判断してこのまま例のアレが発動するまで防御に専念することにする。カウントを取られ始めたのでナギさんがオレから離れていくのを気配だけで感じながら9まで倒れておく。ダウン中の攻撃は反則ではないが試合であることから攻撃は一切無い。倒れている間に無詠唱で遅延魔法を用意する。起き上がると同時に牽制として全方位に魔法の射手を飛ばす。これで互いに行動範囲が制限されるのでどこから攻撃が来るのか予想が出来るはずだった。その魔法の射手が出現、滞空と同時に全て撃ち落とされるまでは。
そして自分に向かって雷の斧が叩き込まれる。ダメージは一切無いが衝撃で一瞬動けなくなり大剣で右腕を切り落とされる。観客が認識する前に素早く切り落とされた右腕を拾い繋げる。その隙に今度は杖が腹部を貫通する。杖を引き抜かずにそのまま槍でナギさんの左足を貫く。今度は大剣で槍を2本とも折られる。それに対して大剣の柄を握りつぶして握れなくする。杖を引き抜こうとしたナギさんの顔面を殴る。それによって吹き飛ぶが杖を手放さなかったので引き抜かれてしまう。それを追いかけ密着する様に戦う。下手に離れられ動きに反応出来ないなら予想から動ける接近戦に持ち込む。それに乗ってくれているナギさんも杖術が使える範囲から離れようとはしない。それでも確実に押され続ける。そして僕の闇の魔法が切れる。

「がああああああ」

そこからは一方的な蹂躙が僕を襲う。時間にして数秒とかかっていないだろう。だが、その一瞬で僕は襤褸雑巾の様な姿で舞台に沈む。
勝てない。
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