第六十話
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「そんなこと、僕がさせません」
ちっ、屑が来たか。屑が敵意ある目を師匠に向けています。相手がどれほどの力を持っているかも知らずに。
「無理だな。お前ごときでは本戦に出ている誰にも勝つことなど不可能だ」
「そんなことありません」
「何処からそんな自身が来るのか分からんが、お前が本戦に出れたのは単に運がよかっただけだ。お前が子供だということでジョンが無視してくれたから本戦に出れているんだ」
「ジョン?」
「蛇の本名だ。あれは生粋の軍人だ。だが、お遊びの武道大会だからこそ見逃された。それだけのことすら分からんのか。そして何より、オレに勝てると思っているのか」
「そんなのやってみないと「お前の父親なら『勝てないけどやってやる』そう言うだろうな」え?」
「そんなことも知らないのか?オレはお前の父親、ナギ・スプリングフィールドの師でもあるんだぞ。タカミチにも聞いたことことが無いのか?その前にお前は自分の父親のことを何処まで知っているんだ」
「父さんのことを知っているんですか」
その言葉を無視するように師匠が話を続ける。
「オレは知っているぞ。あいつがしてきたことを。あいつが悩んだことを。あいつが後悔していることを。あいつが数えた自分の罪の数を」
「父さんが罪を犯すなんてありえない」
「それすらも知らないか。いや、知ろうとしないのか。理想だけを追い求めるなら理想に抱かれて溺死しろ。その時は近いぞ」
具体的には武道大会の後ですね。どんな風に壊れてくれるのか楽しみですね。
「さて、ここに居ても場の空気を悪くするだけだろう。オレたちは行かせて貰おう。行こうか、エヴァ」
「そうだな、最後の麻帆良祭なんだ。存分に楽しむとしよう」
それが当然であるように腕を組み去っていく。羨ましい。今此所に零樹が居ないのが恨めしい位です。まあ、今は学生という身分に縛られていますから仕方ないとはいえ見せつけられると。いや、でも未来のお養父さんとお養母さんになるわけですし、戦闘力的にも勝てるわけが無い……ぐぬぬ。
「どうしたんですか、アリス」
「タイミングが良いのか悪いのか分からない状況に現れないで下さいよ」
「それは失礼。今度からはご期待に添えれるようにしますよ」
背後からかけられた言葉に振り返ること無く答える。その声で誰かなんて分かっているし、今の顔はあまり見られたくない。ちょっとだけクールダウ「すみません」へっ?
いきなり零樹に抱きかかえられ、零樹自身も後ろに跳躍する。次の瞬間、私と零樹が立っていた場所に純粋な魔力の固まりが直撃する。それに気付いたのはこちら側の関係者全員だ。そして、それを放ったのは予想通り、屑。魔法を秘
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