第六十話
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けど結婚祝い」
「これって最近オークションに出ていた奴じゃないですか」
「僻地にいたのによく知ってるわね」
「ネットって便利ですよね〜」
「本当に便利よね」
傍にあったグラスを手に取り、栓をゆっくりと開ける。古いワインはちょっとした振動等で味が崩れることもあるので丁寧に開ける必要がある。もっとも魔法薬の精製等で慣れているので問題はないがちょっとだけ緊張する。その中身をグラスにこれまた丁寧に注ぐ。香りを楽しんでからそれを煽る。
「う〜ん、150年物のビンテージは良いですねぇ〜。リーネさんもどうぞ」
「ありがとう。やっぱりこれ位歴史を刻んでいる物はおいしいわね」
「なにやってるんだよ、お前達」
「「師匠(お父様)、エヴァさん(お母様)」」
「お〜い、これ差し入れだ」
そう言いながら近くのテーブルにケーキを5ホールを手品のように見せて取り出す。
「「「「天流先生」」」」
「教師は辞めたんだから先生は辞めろ」
苦笑しながらも元教え子達に囲まれて師匠は楽しそうにしている。
「それにしても先生、アリスさんが零樹君と結婚するって本当ですか」
「らしいな。まあ、零樹が選んだんだ。文句なんてないし祝福するさ」
「直接報告するのが遅くなってすみません。あと、ありがとうございます」
「まっ、幸せになれば良いさ。それが出来るように育てたつもりだからな」
「はい」
「明日の大会が終わった後に報告に行くそうだな。ゆっくり話し合えるように店の方に来れば良い。最も、父親の方は立っていられるか分からんがな」
「えっ!?アリスさんのお父さん武道会に出てるの」
「ええ、私も確認しましたから間違いありませんよ。誰かは教えませんけど」
「というより天流先生の家族、全員本戦に出てませんか」
「当然の結果、いや、予選の何処かで3人以上居ればこうはならなかったがこれ位は普通だ」
「それにしても以前まではこういうことに興味がないようでござったが」
「来年には此所には居ないんだ。伝説の6個や7個位作っておこうかと思ってな」
「「「「多すぎだ!?」」」」
「今朝も鳥人間コンテストでタカミチと一緒に二人乗りの人力飛行機で麻帆良を一周回ってみたり、大食いコンテストで新記録をたたき出したり、女装コンテストに出てみたり「女装!?」クイズ大会やら色んな大会を制覇して来たからな」
師匠の女装ですか、ちょっとだけ見てみたいですね。リーネさんや刹那さん、木乃香さんも似た様なことを考えているんでしょうね。
「まあ、明日の武道大会も余裕で優勝だしな。これだけ大会を荒らせば十分伝説になれるだろう」
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