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迷子の果てに何を見る
第五十六話
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むけど。ちなみにそれが終わったら今度は悪魔と天使についての研究をするとか言ってたわね」

「どんな事をするのか興味深くはあるね」

「どうせしょうもない企みはあるでしょうけどね。あいつ、どこかに頭のネジを一本落として来たんじゃないでしょうね」

「だとすると零樹を庇った時に外れたんじゃないかい。彼、その時に三途の川の手前で変な形の鎌を持った巨乳の橋渡しに会った事があるとか言っていたが」

「ああ、修学旅行の時にそんな事言ってたわね。鶴子姉さんにやられて世間話をしてたらロリッ娘閻魔様に説教されて帰って来たとか」

「……閻魔がロリッ娘か、その手の人種なら喜んであの世に逝くんだろうな」

「そうね」

ああ、暇だ。



side out






side 刹那


「ゆ〜え〜、こっちであっとるん?」

「ええ、そのまま降り続ければ足場があるはずです〜」

「せっちゃん、その足場って見える〜?」

「ちょっと待ってね、このちゃん」

本棚に捕まりながらズボンのポケットから望遠鏡を取り出して底の方を見る。

「ここから60m位降りた所にそれらしいのが」

「ほんなら行こか、時間的にはそろそろゴールが見えるはずやし」

「そうやね、じゃあ先に足場の確保をするからロープの方はお願い」

部活中は気や魔法を使わないようにしているので今のこのちゃんはちょっと鍛えただけの女の子だ。だから父上に鍛えられていてこういう事に慣れているウチが先に足場を確保しつつゆっくりと本棚の崖を降りていく。その後をこのちゃんが付いて来て5分程で目的の足場まで辿り着く。ここで普通の人なら問題が発生する。崖から足場まで3mほど離れているのだ。さすがMM魔法使いが作っただけあって魔法を使う事を容認して作られているだけの事はある。

「先に飛びます」

「うん、しっかり掴まっとくから気にせんでええよ」

「行きます、せえの」

本棚を蹴り足場に綺麗に着地します。

「ほんなら行くから受け止めてぇや〜」

「うん、いつでもええよ」

「せえの、よっと」

ロープを持ったこのちゃんがこっちに飛んでくるので抱きとめる。

「ありがとなせっちゃん」

「いいよ、それよりロープの固定やろう」

このちゃんが持って来たロープを専用の道具で固定した後に上に向かって懐中電灯をむけて3回点滅させる。しばらくするとロープに滑車を付けて、上で待機していた4人が降りて来る。同じクラスの綾瀬さんに宮崎さんに早乙女さん、それに顧問のルーティ先生の4人だ。

「いやぁ〜、さすがに天流先生の娘さんだけあって慣れてるわね」

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