第五十四話
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修学旅行 四日目 その1
side アリス
ひんやりとした空気に触れ目が覚める。
「う、ん?ここは……ああ零樹の部屋でしたっけ」
まだ寝ぼけている頭を徐々に覚醒させていく。そして今の自分の状態に気が付く。何も身に付けていないことに。
「そういえば昨日、零樹に抱いて貰ったんでした」
思い出すと頬が熱くなるのが分かる。
「おっと、起きていましたか」
部屋の入り口の方を見ると浴衣を着ている零樹が何かを持って立っていた。
「これ、着替えです。向こうに合流する前に風呂に入って来た方が良いですよ。その結構臭いがキツいというか、すぐにバレそうで」
言われてみるとなんと言うか雄と雌の臭いがするというか、こう独特の臭いが部屋に充満しているのが分かる。よく見れば零樹の髪は若干濡れているので先に風呂に入って来たのでしょう。
「そうですね。じゃあ、行って……あれ?」
立とうとして下半身に力が入らず、身体を起こすだけに留まってしまった。
「どうかしましたか」
「いやぁ〜、そのぉ〜……………………腰が抜けて立てないんです」
恥ずかしいが正直に言うしかないと思い白状する。
「くっ」
「笑わないで下さい」
「すみません。ですが、ふふっ」
「誰のせいですか。昨夜はあんなに激しくして」
「それはアリスのせいでしょう。あんなに求められたら答えてやりたいのが男ですから」
「ぐっ」
「まあ、僕自身もアリスに頼られて嬉しかったのでついついやりすぎたとは思ってますよ。だからこれで許して下さい」
そう言ってキスをされシーツで私の身体を包み、抱きかかえられます。
「ちょ、これは」
「何か問題はありますか、お姫様」
「……誰かに見られる事は」
「結界も張りますから大丈夫です。浴場も詠春さんと木乃葉さんに言って貸しきってあります」
「それなら良いですけど、やっぱり恥ずかしいですね」
そのまま浴場まで連れて行かれその頃には立てる様になったので無理矢理浴場に引きずり込んで一緒に入る事にしました。昨夜も見ましたが零樹ってあまり筋肉が付いている様に見えないんですよね。もちろん脂肪は殆どありませんけど。2%無いとか言ってましたね。師匠曰く、
「筋肉なんて無くても咸卦法とかで誤摩化せるんだからむしろ邪魔になるものを装備してどうする。それにオレの故郷にはこんな言葉がある。早さがあればどうとでもなる。実際に運動力学から言わせてもらえば間違いじゃない。だからこそ最高速を出せる分だけの筋肉を付ければ良い」
ということで本当に最低限の筋肉しか付いてないんですよね。それから肌も綺麗なん
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