第五十三話
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がらも適当な戦闘は続いている。
「そういえば零坊はどうしたんや」
「あのガキが面倒事を起こしたのよ。ただでさえ不安定になっていたアリスのペルソナを壊してくれたのよ。精神的に戦闘不能になる位にまでね。まあこれで零樹との仲は更に深まるわ。そこだけはこの茶番劇をやったかいがあるわね」
「自分は見つけんでええの」
「私は見つけているわ。ただ絶対に振り向いて貰えないわ。だから見ているだけ」
「絶対に振り向かへんか。ウチもそうやね」
「ああ、千草さんも同じ人か」
「難儀やね〜、諦めるしか無い恋をするんも。リーネ嬢にとってはウチ以上に辛い時間やろうね」
「そうね、不老不死の欠点はそこなんでしょうね。死ねないし変わらないからこそ囚われ続ける。普通の人ならいつかは割り切れるんでしょうけど私には無理そうね。千草さんはどうするの」
「ウチはそろそろ限界かもしれんね。もう疲れてもうたから。忘れようとは思わへん、けど諦めるしか無いわ」
「それを否定する事は私には出来ないわ」
「ん、あんがとさん。さて、そろそろ準備ができたんとちゃうんか」
皆を見ると準備は整っているようだ。そして、ちょうど封印の第一段階が解ける合図として魔力の柱が目的地に立ち、ウロヴォロスの影が現れる。
「佐久間」
「はいよ」
それを素早く囲む結界を構築させる。
「木乃香、チウちゃん」
「うん。大いなる守護獣よ、我が敵を灰燼へとなせ」
「任せとけ。ルビー、ブラスタービット。スターライトブレイカー」
大量の火符から成る朱雀と、ルビーとビットから放たれる5本の魔力収束砲がウロヴォロスを吹き飛ばし転倒させる。
「刹那、茶々丸。アレと人形を仕留めて来なさい。私は陰に隠れているのを仕留めてくるわ」
返事を待たずに感知していた魔力のラインから居場所を突き止めそこに影で転移する。そして目の前に居たのは誰がモデルになっているのか分かりやすい人形だった。
それが私の感に触ってしまった。
「ふ、ふふふふふふふ」
「な、何故ここが」
ああ、これほどまでに頭にきたのは久しぶりだ。
「あはははははははは」
人形師は何を思ってこの姿を使ったのだろう。
「くっ、排除させてもらう」
人形の手刀が私の身体を貫くが気にせずそのまま抱きしめる。
そしてとある魔法を発動させる。
「何だこれは。まさか、放せ」
「だ〜め。貴方は塵一つ残さずこの世から消し去ってあげる」
「そんな事をしたらお前も」
「ご心配なく。これでも真祖ですから」
この魔法を一言で表すなら『自爆』だ。魔法世界で遥か昔に滅びた国が使用した
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