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迷子の果てに何を見る
第五十話
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かった。だからもっと強くなろう。リーリンや皆を守れる様に。

「零坊から聞いとるで、一回見たら真似れるんやろ。だからウチが使う中でのとっておきや」

「お願いします」

「ええ根性や。死なん様に耐えるんやでぇ」

気を全て防御に回し、魔力を眼に回す。気と肉体の流れを一切見逃さない様に。

「神鳴流奥義、滅殺斬鉄斬魔桜花斬」

「ぐわああああああああああああ」

死ぬ程痛かったけど、確かに見えた。今まで零樹に見せてもらった神鳴流の技を同時に放つだけでなくそれを複合させているのが。

「がはっ」

道場の壁を突き破りそのまま森の中にまで飛ばされる。運良く木にぶつからずにすみ、受け身を取って仰向けに倒れる。立ち上がろうとすると胸に激痛が走る。どうやら肋骨が何処かに刺さっているみたいだ。

「大丈夫ですか」

傍に誰かが近づいて来た。この声は確か零樹のお姉さんの刹那さんだっけ。

「大じょ、ごふっ」

「あまり大丈夫そうでは無いですね。どこがやられているか分かりますか」

「……肋骨が、ごほっ……どこかに」

「分かりました。とりあえず応急処置だけは施しますから気を抑えておいて下さい」

痛みを誤摩化す為に使っていた気を抑える。途端に激痛が走るけどすぐに刹那さんが何かの符を胸元に張ってくれる。すると痛みがほとんど無くなる。

「これで普通に動く分には大丈夫だと思います。一応後で本邸に居る治癒術士に診てもらって下さい」

「ありがとうございます。ここまで治っているなら後は気で治せます」

「それでも一度診てもらって下さい。鶴子姉上の一撃をまともに受けているんですから、もしかしたら何処かに異常があるかも知れません。あなたに守るべきものがあるなら余計にです」

「分かりました」

「では本邸の方に向かいましょう。長がお待ちになっておられるので」

「あっ、はい」


side out




side 零樹


「おや、レイフォン。無事、では無かったみたいだな」

「零樹、神鳴流ってみんなこんなに強いものなの?」

「鶴姉が別格なだけだ。もっとも麻帆良にいる魔法先生よりは遥かに強い」

「やっぱり別格なんだ」

「だが、今回の事で何か得たものはあったんだろう」

「うん」

「良かったな」

「ところで君尋と鋭太郎は」

「君尋なら医務室に運ばれていたな。鋭太郎なら既に怪我を完治させて広間の方に行っている」

そのまま4人で広間に向かうと黒こげになった鋭太郎と詠春さんがいた。まあ、近くに木乃葉さんと木乃香さんと草姉が符を、千雨さんがステッキ状態のルビー
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