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迷子の果てに何を見る
第四十六話
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いてくるのが分かった。

「待たせてすみません」

「いえ、別にほとん……ど、待ってませんよ」

「…………やっぱり似合ってませんか」

「いや、普通に見惚れてた。もの凄く綺麗ですよ」

「あ、ありがとうございます」

うん、言葉の通り見惚れてしまった。正直なところかなりドキドキしてるのが分かる。顔には一切出ていないとは思うけど。今までに見たことのない服を着ていて髪もサイドに上げていて、それが容姿とも合っていて本当に綺麗だった。周りの人もチラチラとアリスさんを見て、傍に居る僕に嫉妬の視線を送って来る。仕方ないことなので甘んじてその視線を受け入れる。

「そろそろ行きましょう」

「そ、そうです!?(零樹君、今明らかに変な魔力を感じませんでした?)」

「少し落ち着くまで待った方が良いみたいですね。とりあえずそこのカフェにでも行きましょうか。(ええ、感じました。ですが今までの転生者とは違うみたいですね。渡り人でしょうか?)」

「すみません。(とりあえずレイトさんに連絡しますか?)」

「いえいえ。(気付いていると思いますけど一応連絡しておきます)」

父さんに連絡を取ると、既に接触しているから任せていれば良いと言われたので、そのままカフェで軽く昼食を摂ってから、まずは服を買いに行った。

「こんなのはどうかな?」

「似合っていると思いますけど、アリスさんにはこっちの色の方が良いと思いますよ」

「そうですね、だとしたらスカートの方もこっちの方が良さそうですね」

「そうですか?今のでも合っているとは思うのですが」

「一応物は試しということで」

「そうですね」







「ペアルックですか」

「父さんや姉さん達にからかわれる覚悟があるなら買いますか?」

「新年会で流されそうですからパスです」

「懸命な判断です」





「さて、さっきから僕らを尾行している人が居るんだけど心当たりは?」

「クラスメイトですね。少しお話ししてきます」

「いってらっしゃい」





そのまま何も無く、日が暮れてきた頃。急に人が居なくなり始め、そして目の前に

「「で、何であなたがここにいるんですか?鳴滝さん」」

「私のことを知っているなら話は早い。貴様達をディケイドを誘き寄せる為の囮にするからだ」

ああ、昼頃に感じた変な魔力はディケイドのことだったんですか。
ふう、それにしても折角のデート?の邪魔をしに来るとは運がない。アリスさんのクラスメイトが尾行してたのはまあ良いですけど、ここまで露骨に邪魔をされると腹が立ちますね。

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