番外その二
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side レイト
あれから数日経ったがデモはまだ続いているらしい。珍しく魔法先生達が説得(魔法)仕切れていないらしく日を追うごとに参加者が増えているらしい。
らしいというのは麻帆良にいると面倒な事になりそうなので九州の方に旅行に出かけているからだ。なぜ九州なのかと聞かれると国内で行った事がないのが九州だけだったからだ。後ついでに殺生石を発掘しに来ている。昔、リーネが産まれる前に偶々旅行先の霊穴に埋まっていた殺生石の欠片が化生して旅行先に被害を齎していたので腹いせに滅した事があるのだ。その欠片なんだがオレとキティの研究者としての血が騒ぐ様な代物だった為、文献を漁ったりして残りも全て集めようとしたのだが妊娠が発覚して、リーネが産まれてから子育てに忙しくて中断していたのをちょうど良い機会だから終わらせてしまおうという事になり大分県豊後高田市に来ている。臨時のバイトと一緒に。
「お〜い、まだ見つからないのか」
「全然だ。本当にここにあるのか」
「ある……はず」
「いや、あるはずって」
「正確に言えばここら一体の何処かには必ずある。だけど完全にサ−チしようにも長年埋まっていた上に近くに霊脈が一切なかったせいで妖気に汚染されちまってるんだよ。だから判別が殆ど付かない。仕方ないから一番妖気が強い場所から掘らせようと思ってな。なんならORTで掘っても良いぞ。人払いはしてあるんだし」
「いやいや殺生石が粉々になるぞ」
「冗談に決まってるだろうが。まあ一条も頑張って探してくれ。こっちも頑張って探すから」
「分かってるよ。だから早い目に探してくれ。妻達に殺されるかもしれないから」
目の前でショベルを使い穴を掘っている臨時のアルバイト、一条要は渡り人だ。
出会いは風祭達が去った後に世界樹の根元に現れた。すぐに接触して保護し、話を聞くと一条の所の神がこの世界の管理人(たぶんオレの事だろう)と戦って来て欲しいとかで送られて来たらしいので広大な荒野が広がっているだけのダイオラマ魔法球で戦った。そして、今までとは全く異なる能力を見た。アルティメットワン、星その物の力と表現するのが正しい化け物を見た。それを見て久しぶりに恐怖を感じ、喜びを感じた。久しぶりに自分と身内以外での強者の存在に。今の状態の自分に出来る全ての手札を切り、辛くも勝利する事が出来た。
だが、戦いが終わり傷が癒えた後に一条がある事に気付いた。
「どうやって帰るんだ?」
それに関して一条は何も聞いてなかったらしい。オレも上位神に連絡を取ろうとしたのだが何故か繋がらなかった。仕方ないのでオレが一条をもとの世界に帰す事にしたのだが、その作業は砂漠で一粒の砂金を見つけるというよりは深海で真珠を探す様なものだ。
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