暁 〜小説投稿サイト〜
炎髪灼眼の討ち手と錬鉄の魔術師
”狩人”フリアグネ編
断章 「激動の朝」
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シャナァァァァ!!」
 俺は彼女に名付けた名を叫びながら、ベッドに飛び込む。
 そして、俺達は…………。




 ―――ッ!
 危ない所だった……。あのままじゃ、妄想に呑まれてたぞ……。
 何はともあれ、手強い朝になりそうじゃないか。
 誓って言うが、俺はロリコンじゃない………と信じたい。

 まぁ、そんなイベントが起きる事はないだろう。
 と言うか起きたら逆に怖い。そんなキャラじゃないだろ、アイツ。
 モゾモゾと動き出すシャナを見ながら俺は思った。
「ん〜、おはよ〜」
 シャナは眠たげに目を擦りながら目を覚ます。その姿はさながら小動物のようであり、見ていてとても癒されるものだった。まさに、俺の妄想の如く……。

 ありゃ? いやいや、まさかな………。
「おはよ、とりあえず何か着たらどうだ?」
 とりあえず、目下のところ問題ありありの服装を指摘する。そう俺が言うとシャナは自身の体に視線を落とす。今、彼女の目には下着しか身に付けていない自分が写っているのだろう。だが、人間の寝起きというものは案外と思考力が低下しているものだ。その点はシャナも例外でなく、しばらく呆然と自分の姿を見ていた。
 ―――この展開は!?
 まさしく、俺の妄想通りじゃないか。本当に朝からこんなイベントがあるなんて!
 自分をも騙しうるイメージ力、それが投影魔術に必要なものだ。俺も伊達に、投影使いなんてやってないってことか。

 クソッ! 心の準備が出来てないじゃないぜ!!
 するとシャナは顔を染めた。………怒り一色で。
「お前は一体……、何を持っているのかしら?」
「待ってくれよシャナ。俺にも心の準備が……って、え? 何って、見れば分かるだろ?」
 タオルケットだよ、タオルケット。と言わんばかりに俺は左手に持っているものをシャナに見せる。
「どう見てもタオルケット……って、ナンデスカコレハ?」
 それはタオルケットよりも小さな布で、筒状の形をしていた。
 ついでに言うと、御崎高校女子指定制服であり、目の前で怒りのあまりプルプルと震えているシャナが身に付けていたものである。
 つまりは………スカートです、ハイ。
 ナルホド〜、脱いでそのまま寝たのか〜。道理で下着姿な訳ですよ。
 俺はゆっくりと丁寧にそれを畳んで床に置いた。たまにセイバーやイリヤ、ある時は遠坂の洗濯物を畳まさせられた俺に死角などない。
 誓って言うが、女性陣の下着を畳みたかった訳じゃないからな。というか、普通は畳ませないだろ。
「ふぅ……。今日も一日、良い日になれば良いなシャナ」
 そして、俺に出来る最大級の爽やかな顔でシャナに笑いかけた。

「「…………………」」
 二人の間に数瞬の沈黙が流れた。
 なんとも言えない空気だよ、全く。
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