暁 〜小説投稿サイト〜
炎髪灼眼の討ち手と錬鉄の魔術師
”狩人”フリアグネ編
断章 「激動の朝」
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だけだ」
「それで、私が脱ぎ散らかした服を『コレ』は密かに隠匿しようとしたのね」
 なにやらシャナは歪んだ解釈をしている。
 確かにヒドイことをしたとは思ってる。けどさ、もうちょっと相手の言い分も聞いてくれても良いと思うぜ? 聞くだけならタダなんだしさ。
「成る程な。その脱ぎ散らかした服が、ベッドの隣で寝ていた俺の上に乗ってしまってた訳だ。けど、俺は確かタオルケットを被って寝ていた筈だ。タオルケットが無いのは何でだ?」
 後、シャナ……俺は『コレ』じゃないぞ、とツッコミを入れておく。
 全く、人をモノ扱いするなってんだ。例え、トーチだろうがミステスだろうがな。
「我が見たときはその様な物は無かったが? おそらくは貴様がベッドの下に蹴り飛ばしたのではないか。だが、その話で貴様がこの子の衣服に抱き付いていた理由がハッキリしたな」
 いつの間にか、スカートとタオルケットがすり替わってたってことだ。
 謎が解けて良かったよ、全く。間接的にシャナも関係してるじゃないか。
「お前は人なんかじゃないわ、ただの物よ。今、ここで壊してやってもいいんだけどね」
 そう言って、例のコートを出すシャナ。
 とりあえず、落ち着こうか。
 また物騒な殺陣をしたいか? 俺はしたくない。
「ベッドの下……か。あぁ、あったあった。タオルケットと勘違いしてそんな事してたのかよ、俺。それとだ……、物騒な事を言うなよシャナ」
 ベッドの下からタオルケットを救出。蹴っ飛ばしてすまなかったよタオルケットくん。
 それにしても、スカートを抱えながら寝ている決定的な現場を、シャナに見られなかった事は正に僥倖と言えるな。
 なんだよ、俺のLUCKもまだ捨てたものじゃないじゃんか。

「―――教えてあげる。これがモノを殺すということよ」

 そう言って、シャナはコートから贄殿遮那を中頃まで引き出す。
 いつ見ても本当に美しい刀だな。何度見ても飽きないぜ、けどな。

 いい加減、そろそろ許してほしいぜ。じゃないと俺が死ぬ。
「勘弁してくれよシャナ。アラストールの話を聞いた所、俺だけが悪いって事でもないじゃないか」

 ―――まぁ、7:3位で俺が悪いとは思うけどさ。

「そう言われれば、そう……なのかしら………?」
 う〜ん、と考え込むシャナ。
 成る程、少なからず自分の非を認める気は有るらしい。
 アラストールの名前を出したのも正解だったな。心苦しいが、もうひと押ししてチャラにしてもらおう。
「さっき、俺をボコったろ? そるでチャラって事にしてくれないか?」
「まぁ、私が悪いのも確かだし……。仕方がないわね。アラストールに免じて、ここは引いてあげる。けど、勘違いしないでよね! 別にお前を許した訳じゃないんだがら!」
 マジでCOOLだぜ、アラ
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