”狩人”フリアグネ編
断章 「激動の朝」
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窓から射し込む朝陽と怒り狂ったシャナが飛ばす怒声と剣閃の中、俺は非情な現実に嘆くしかなかった。
前の世界でもそうだったが、どうも聖杯戦争後から俺のLUCKはかなり低くなっているらしい。
思えば、昨晩の時点からこんな運命にあったのかもしれない。
雷のような剣閃を防ぎながら、俺は昨晩から続く不幸を嘆く。
〜〜〜〜〜〜
「……なんでこうなってんのよ」
「俺に訊くな」
「我にも分からん」
千草さんに発見されたシャナと俺は、なす事もなしに食卓についていた。
彼女の表情とは裏腹に異様な押しの強さに、シャナは怯み、流れで食卓に座らされて今に至る。
悪いけど、俺だって千草さんと出会って二日しか経ってないんだ。まともに会話もしてないしな。
因みに敬語を使うのに違和感を感じたので、敬語は使っていない。この辺りは、坂井悠二の情報が残っているためだろう。
「士郎君が、家にガールフレンドをつれてくるなんて初めてだわ」
シャナを連行した後、そう告げた彼女は今、台所で料理を作っている。何か手伝う、と言ったが笑顔で追い返されてしまった。
俺としてはこっちにいる方が気まずいのだが、ああ言われては仕方がないので、食卓で暇をもて余してる。
そんなとき、俺の対面に座るシャナは、伏目がちに睨んできた。
「お前の保護者って一体どうなってるの? なんで庭の茂みで座り込んでいた、面識もないクラスメートを夕食に招待するのかしら」
シャナは必死に抗議しているようだが、いまいち調子がでないようだ。日が暮れたら帰るつもりだったところを呼び止められた形だからな。さっさと帰りたいんだろう。
だが、夕飯をご馳走される位なら良いんじゃないだろうか? それとも、そんなに俺といるのが嫌か?
まぁ、不可抗力とはいえ着替えを覗いてしまっているし、嫌われてしまうのも道理だが。少々、悲しいよな。やっぱり。
とまぁ、そんなことは例によって言えないから、当たり障りなく返事をする。
「……俺だって分からない。悪い人じゃないとは思うけど、なんであんな解釈になってるんだろうな」
千草に聴こえないよう、声を潜めてシャナに言う。
「昨夜の事といい―――、貴様、実はそういう趣味を持っているのではなかろうな?」
「なっ―――、んな訳あるかバカ!」
まさかアラストールにも、遠坂の幻聴が聞こえてたのか? 認めたといっても、ほんの少しだけだ!
どちらかと言うと、そんな趣味が無いつもりなんだからな!
真剣に懸念してくるアラストールに、内心でヒヤヒヤしながら返す。
すると千草さんからお呼びがかかった。
「士郎君、ちょっとこれを運んでくれない?」
「あぁ、すぐに行くよ」
ナイスタイミング!! まさしく、救いの手だよ。
アラストール
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