第八章 反転
第4話 浮かび上がる人影
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士道は走っていた。
先ほど、真那にギリギリの所で助けられたところなのだ。こう思うとまだまだこちらにも味方がついているなと嬉しく思う。
あの一瞬の時に真那はこんなことを言っていた。
真那『琴里さん達を正気に戻しました。今ならインカムをつけても大丈夫です。……ここは危険ですので早く行くべき場所へ行きやがってください』
その時は珍しく焦っていたせいもあってか、すごく簡潔していた。それでも琴里が味方についてくれる。それだけですごい安心感が生まれる。
その助けられた命で士道が向かっているのは美九の家だ。
あそこに行けば何かが分かるかもしれない。
その僅かな希望に賭けて。
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静寂というのは時にすごい効果を発揮する。
例えば、考える時間をくれる。
例えば、自分の世界へ閉じこもれる。
例えば、今生きている時間をより長く感じれる。
しかし、それは全ていい方向へともたらすとは限らない。
考えるといってもネガティヴな方向に連鎖していけば鬱になる危険性がある。
自分の世界へ閉じこもってもどこかで現実のことを考えてしまう。
退屈だと言われればそれまでだ。
だが、
この静寂は少し特殊だと、美九は思う。
まるでこれが当たり前のような、そんな気がしてならない。
普段はこんな哲学的なことを考えないのだが、毛嫌いしている男と二人きりで、それも何も会話することなく歩いているということが自然とそんな思考にさせる。
本当に、不思議な気分だ。
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上条と真那は空を飛んでいた。
行き先はDEMインダストリー社。
攫われた十香を助けるために。
と、
突如、その行く手を阻まむ存在が現れる。
その姿を見た瞬間、真那が秒以下のスピードで″彼女″を斬りつける。
″彼女″は咄嗟に気づき、持っていた拳銃でガードする。
真那「……どうしてここにいやがるのですか、ナイトメア」
狂三「あらあら、手荒な歓迎ですわね真那さん」
時崎狂三、通称ナイトメアと呼ばれている彼女が目の前にふわりと立ち塞がった。
上条「狂三!?何でここに……」
狂三「目的は貴方達と同じですわよ?」
真那「………十香さんを助けやがると?」
狂三「きひひ、それだけでは無いのでしょう?」
全てを見破っているような奇妙な笑み。いつも通りといえばいつも通りだが、今回は少し事情が違う。
上条「……分かってるのなら通してくれないか?俺たちはここで無駄な時間を過ごしたくないんだ」
狂三「今の貴方達では無理ですわ」
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