暁 〜小説投稿サイト〜
RSリベリオン・セイヴァ―
第一話「夜空の巫女」
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「だ、誰か……誰か助けて……!?」
そのまま彼女はバランスを失い。徐々にメガロポリスが発する地上の光へ急降下していった。

世の中は嫌な事で出来ているものだ。だから、嬉しいことや楽しいことなんて自分が勝手に思っている幻想にすぎないのかもしれない。
それでも、人々はその幻想のために嫌なことに首を突っ込んで心身ともに傷ついたりするものなのだろうか?
いや、間違っても俺だけはそんなことはゴメンだね? 他人よりも自分が一番、愛よりもオカネ、仕事なんてクソくらえ、生涯は欲のため、まぁ……それが人間らしい人間なのかな?
少なくとも俺はそう思う。そう……思っていた。昨日までは。
あの少女と、謎の刀を手にするまでは、そう思い続けていた……

「旅客機とIS衝突寸前、か……」
朝、食卓でトーストを片手に新聞を読んでいた。そのなかである記事に目が留まったのだ。
「女性と思われしきシルエットが、旅客機正面に現れ間一髪のところで衝突は回避された……世の中、何が起こるのかわからないものだな?」
新聞を読み終えると、再びトーストを齧ってココアを流し込む。
俺の名は九条飛鳥、この家の長男として生を受けた「出来損ない」の愚息だ。
何が出来損ないだって? それは、文武両道にダメで、さらには等辺僕。そんな俺とは違って家族には優秀な奴らが多い。本当、神様って不公平なことをするよな?
だが、今日も何かを求めて俺は就活へ足を運ぶ、いつまでもウジウジしていたいところだが、はやく無職から脱しないと、俺の全てが完全に疑われてしまう……特に近所のご婦人たちに噂されるのはこれほど痛いことはない。
しかし、こんな俺でも普通校の藍越学園を無事に卒業したんだ。俺にだって運の一つぐらいはあるはずだ! そう、願って俺は玄関で靴を履くと、一直線に近場のハローワークへ向かった。
そのはずだった。しかし、俺はとても運が悪いようであった……

近場の職安にて、
「……ざけてんじゃねぇぞ!?」
若い怒号が室内に響き渡った。
俺は、顔を真っ赤にして席から立ちあがると、「男だから」といってさっきから小ばかにしてくる女職員へ怒鳴り上げた。
今まで小心者だったが、「親の顔が見てみたいものだわ?」とまで言われたら、流石に堪忍袋が爆発する。
「は、はい……」
職員の女は、半泣きで俺を見上げた。足はガタガタ震えだして……コイツ、失禁してんぞ?
よほど気の小さい女なのだろう? 中年のくせして。
「ケッ! やってられっか……」
唾を吐き、俺は安定書を出て行った。もう、こんなところは二度と来ないだろうな? いや、あんなことしちまったんだからもうここへは来れないだろう。しかし、自分がやったことには後悔はしない。
女尊男卑が始まったのは今更じゃない。ISと呼ばれる飛行パワードスーツが出来てから
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