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RSリベリオン・セイヴァ―
第一話「夜空の巫女」
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深夜

太陽が沈もうとも、街は眠らない。
世界有数の経済都市、東京メガロポリス。その都市は眠ることなく闇を嫌い、光で大いに闇を照らしていた。
地上には、居酒屋の明かりやビルの窓達の光、また、マンションや住宅街にも少なからず光が優しく燈っていた。今宵も、活気と人々の掛け声、乗り物の騒音でメガロポリスの夜は賑やかと活気に満ち溢れていた。

しかし、東京の「上空」だけは違った。地上とは対照的に首都の頭上を覆う漆黒の夜空は、静寂と月夜で包まれていた。
「まだ追ってくる……!?」
そんな、東京の夜空を一人のシルエットが何者かの追撃から逃れるかのように高速で飛行を続けていた。その姿は和服を纏った女性である。それは神社で神職を営む「巫女」を印象付ける姿である。
しかし、白い着物に紅い緋袴の様子に近いが、その姿は従来の巫女装束とは異なっていた。
それは和風を思わすレオタードで、月光にレオタードから食い込んだ足の付け根が照らされ、その優雅な姿は、男ならだれもが目を奪われる。そんなレオタードな巫女装束にまとい、月夜を舞うその姿は「かぐや姫」か「天女」を連想させるほどの華麗な美しさを見せる。しかし、そんな彼女の後から幾つかの機影が現れた。
「キサマ! その持っている刀をこちらによこせ!!」
そう叫ぶのはとあるISの集団であった。それも、所属の不明な機体であり、唯一確かなのは彼女らが纏うアーマーには「ファントムタスク」と書かれたエンブレムがされていた。
「どうしよう……この「RS」だけは絶対に渡すわけにはいかないのに……」
か弱い口調で巫女の少女は目の前の空をひたすら飛び続けた。その速さは巫女装束を纏っているだけで、ISのようにアーマーやブースターを装着していないのにもかかわらず、ISを上回るスピードであった。
「くそ! なんて速さだ!?」
「撃ち落せ! 何としてでもしてでもイレギュラー兵器を手に入れろ!? IS無くしてこの世界は成り立たないのだ!!」
先頭を飛ぶ指揮官機の指示によって彼女らは一斉にライフルを発砲、それを必死に掻い潜って巫女は逃走を維持する。
「……!?」
しかし、巫女の裾を銃弾が掠った。少女は、途端に生死の状況に追いやられていることをさらに実感し、激しい恐怖感にさらされることとなる。
「怖い……」
怖い、誰かに助けを求めたかった。しかし、今は彼女一人しか居ない。
――助けて、父様……!
「……ッ!?」
そのとき、目前を巨大な白い物体が遮った。旅客機である。
「うぅ……!」
巫女は、それをスレスレで間一髪に交わして旅客機の背中をギリギリに飛ぶが、目の前の巨大な垂直尾翼とぶつかってしまう。
肩に鈍く激しい痛みが走った。尾翼が彼女の肩を深く掠ったのだ。幸い大事には至らないが、その痛みに襲われてパニックに陥った。

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