衝動の焔を鎮火せよ
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は重力落下と突風推進、そして二つの力を合わせて叩きん込んでいるグラトニーが有利か、一撃一撃が軽いウージの攻撃はきっこうも出来ず押されていく。
重いモノでは対処しきれないと咄嗟に出した技が、何時の間にか自分の首を絞めていた。
「うぐぅぅ……やああああああっ!!」
「……!!」
凄絶な押し合いに勝ったのはグラトニー。
空気の塊ごとウージを地面に叩きつけ、猛烈な量の砂煙を辺りに巻き散らした。見えないウージを中心として、大きなクレーターまで刻まれている。
更に駄目押しか……ピシリ、とか細い音が鳴った。
「……mask?t……」
煙がはれて現れるのは、本来の骨の如く細い腕を露出させた、腕も仮面も脚も欠けているウージの姿だった。
『よっしャア! こっちが有利ダガ、気は抜くナヨ!』
「うん!」
再び打撃の打ち合いに持ち込むべくと、グラトニーはウージへ接近を試みる。一歩、二歩、三歩踏み出し、爆風によって即座に距離を詰めた。
「Ak…………Tie??m labs……labs……」
……残り数mまで近付いた、その時―――――今度はグラトニーが驚く番となる。
下げられていたウージの顔が上がれば、その目に映っているのは先までの静かな瞳では無く……燃え上がる何かを湛えた、闘魂収まらぬ猛々しい瞳。
ほんの一瞬、されど一瞬、“ゾクリ” としてグラトニーは動きを止めた。
止めてしまった。
「Go'll iet un m?s ejam! Meitene iet!!」
ダメージは与えた。
ツインテイルズとの闘いで少し、グラトニーとの打ち合いでそれなりに、そして先の《風撃颯》で重い一発すらぶち込んだ。
……それでも尚、相手はグラトニーに対して、『パワー』を温存していた。
「うぐぅぅぅうっ……」
「Flightless!!!」
「うわああああっ!?」
スピードは今まで通りで有り、受け止めること自体も出来たが……一段膨れ上がった怪力により、グラトニーは弾き飛ばされる。
地面についても勢いが殺せず、水切り石の要領で続けて跳ね飛んだ。
「こ、のぉっ!」
腕を地面にぶつけて体勢を立て直してみれば、此方を睨みつけしかし同時に笑う、ウージの姿が見える。
「Lol lol! Tas ir v?l joproj?m!」
別人の如く楽しげに嬉しげに、瞳を歪めて声高に叫ぶ。だが……確かに嬉しげではある、されど何も無い、ただ動こうとしているかのようにも感じられる。
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