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何故ばれる
4部分:第四章
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んぞ」
「では本当に食ってよいのか」
「その菓子を」
「食うがいい。ただし次からはだ」
 親父はこうも言い加えてきました。
「何か交換に持って来るのだぞ」
「それでいいのか」
「何か持って来れば」
「わしの菓子を食いたい者は誰でも来ていい」
 これはこの親父の考えそのものでした。この人はこう考えてお菓子を作っているのです。
「だからだ。今回は特別にただでやろう」
「かたじけない」
「そうしてくれるのか」
「次からだだぞ。いいな」
「うむ、わかった」
「それではのう」
 こうして三匹はばれはしましたがそれでもそれぞれお菓子を食べることができたのでした。それからは山から採れたものを親父にあげてそれと引き換えにお菓子を食べるようになりました。昔々のまだ何もかもが素朴だった、そんな時のささやかなお話です。


何故ばれる   完


                2009・8・19

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