解かれる結び目 7
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に帰り、扉を閉ざしなさい。我らが愛し子、『空間』の女神マリア』
私の新しいお役目は、神々を眠らせること。
勇者達と協力して魔王レゾネクトを討った後。
神々が眠る新しい世界を、私の力で遮断する。
私は、神々と共に眠る最後の女神。
神々の意思を受けて、正真正銘、天神の一族最後の一柱となった。
「女神マリアは、勇者一行と共に魔王レゾネクトを討つ使命を賜りました。巫マリアは本日をもって名誉を神殿に預け、席を外します。神々に仕える敬虔なる者達よ。巫無き後も、弱き者達の支えとして在り続けなさい」
「マリア様!?」
大神官様が慌てて立ち上がる。
騎士達も驚いてる。
表情を変えなかったのは、三人のお客様と……
静かに目蓋を伏せたエルンスト。
「お待ちください、マリア様! 神々の導きを我らに示す巫たる貴女が、神殿を捨て置かれるおつもりか!?」
「それが神々のご意思なればこそ。私は女神として託された使命を果たしに行かねばなりません。神殿を捨て置くのではない。より多くの命を救う為、貴方達を信じて巫の名誉と共に一時預けるのです」
「危険すぎます! そのようなことは彼らにお任せすれば良い!」
大神官様が指したのは、石柱二本を挟んで隣に座るホリードさん達。
「彼らは神々の祝福を授かった選ばれし者。貴女ご自身が出向かれずとも、立派に」
「お黙りなさい! 神々の決定に叛くおつもりですか、大神官たる者が!」
「ぅぐっ……」
昨日、良からぬ企みを聴いてしまったせいかしら?
大神官様の考えが手に取るように解る。
巫に万が一のことがあれば、人間に好都合な旗印が失われてしまう。
人間にとって、と考えているならまだマシ。
一番心配しているのは多分、大神官の立場を保証してきた、神殿の権威が失墜する可能性でしょう?
だからこそ、天神の一族が私の代で途絶えてしまうことを恐れてる。
自分を護るものが失われてしまうと怯えているのは、私と同じね。
それは仕方ない。私が責められた義理じゃない。
でも!
いい齢した大人が、子供に責任を押し付けて良しとする発言はどうなの!?
選ばれたから何!?
祝福を授かったから何よ!?
あの人達がどんなに危険で辛い目に遭いながら、ここまで来たのか!
昨日、この礼拝堂のすぐ近くで、たっぷりと聴いていたでしょうに!!
貴方達が束になっても敵わない相手に挑もうとしている子供達へ!
一人前の大人として向ける言葉が、そんなものなの!?
「マ、マリア様……っ
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