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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第184話 強さの意味
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わよ! ともかく、私と遭遇するまで、絶対に生き残るのよ! この借りは、倍にして返してやるわ!」

 そう言うと、もういたたまれなくなってしまったのか、顔を背け。

「リザイン!!」

 天に届くが如く勢いと声量で、叫んだ。



 試合時間:19分55秒。

 第3回BoB予選トーナメントFブロック決勝戦、終了。



 Fブロック 本戦出場者 RYUKI Sinon Kirito











〜桐ヶ谷家〜


 その日、自分は少し不機嫌だったかもしれない。
 その原因は判っている。……本当に悔しかったんだと言う事。でも、これでよかった、とも思えている自分もそこにはいた。

 何せ、これまでアイツと戦って負けたとしても、『アイツだからなぁ……?』と負ける事を前提に考えていた自分が絶対にいたから。

 それは、これまでの経緯を思えば仕方がない、と言えるだろう。
 もう、随分昔の事だと思えるが、あのゲームのβテストの時、競うジャンルじゃないのだけれど、圧倒されてしまったのだから。倍以上の差を付けられてしまった。あの時は、自分自身も随分と熱中し 一日の殆どをあの世界に費やしかねない程に、ダイヴしていた。それでも、追いつけられない、逆に差を広げられる。当時は知らなかったけど、この時既に相手は働いている身だった。自由な時間は自分よりも少ないだろう(和人の想像上)。その上での差だから、脱帽もすると言うものだ。

 ライバル意識だったのが、憧れになり、そして目標にし、追いつこうと頑張り続けていた。様々な戦いを経て、今に至る。

 そんな相手と戦って敗れて……悔しいと思えている自分が、何処か嬉しかった。

 《悔しさ》《嬉しさ》《満足》 それらの感情が5:4:1の割合で占めている。

 今の自分は不機嫌かもしれないけれど、実際はどんな顔しているのだろうか?

「おにーちゃんっ!」

 そんな時だ。……目の前の直葉に声をかけられたのは。
 因みに、今は昼食の為、テーブルに着いている。合掌、会釈を済ませて、愛する妹と一緒に食事を楽しんでいる時間。日曜日のよく晴れた日だ。

「それ、どんな顔なの? 笑い顔? 渋い顔? なんだか、とっても中途半端だよ?」

 ……妹に、自分がどんな顔をしているのか、教えられた様だ。慌てて元に戻す和人。

「あ、それよりさー……」

 表情を指摘された数秒後の事。
 目の前の愛する妹の表情が変わった……、それは最上級の笑顔。それを間近で見て、真っ先に《嫌な予感》が眉間のあたりに走ってしまう。擬音を付けるとしたら、《ピキューン!》がふさわしい、だろうか。兎も角 強く、強く、感じる。それは、自分事、桐ヶ谷和人の日頃の行いが宜しく
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