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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第184話 強さの意味
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持ち上がった。その、無垢な顔を形成しているアバターの素顔の先にある本当のリュウキ。
それを求める様に、その頬を指先で触れようとしたその寸前だった。
「――……さぁ、この決闘はオレの勝利、と言う事でいいか?」
リュウキは、ふっ、と笑いながらそう言う。
シノンの表情を見て、少し安心、した様だ。闇に囚われている様な表情をし、闇に落とす涙をみせていた彼女の顔が変わったから。
「え……? あ、え、ええと……」
いきなりそう言われても、シノンは中々気持ちが切り替えられない。だから、ぱちぱちと瞬きをしていた。
「なら、悪いが降参をしてくれないか? ……女の子に手を掛けるのは、正直無理な所があるんだ」
シノンは、その言葉を聞いて、気障だ! と一瞬想った。だけど、その表情の奥底に見えた真剣な眼差し。それをはっきりと見た。自分の中の信念に似た何かなのだという事を。
「……守るモノだと、言われて、教えられてきてる、から。……最近は ちょっと破った、いや破りかけたんだけど」
リュウキはそう言って軽く笑った。この時、この時、シノンは心の何処かで引っかかったんだ。そのリュウキの言葉を聞いて。
だけど……、改めて今の状況を思い返した。
リュウキは、銃を下ろしているのに、拘束もされていないのに、殆ど密着状態。今にも身体が触れ合う距離で静止している姿。そして、銃を落とした手は、まだリュウキの頬に触れかかっている。それはまるで、彼を求めている様に手を伸ばしている。
見つめ合って、手を伸ばして……、そんな状況。
おまけに、この光景はありのままに待機ドームや総督府ホール、そしてグロッケン中の酒場に生中継されているのだ、と言う事実。
たちまち頬に、かぁっと血が上るのを意識したシノンは、伸ばした手を思い切り引っ込めた。手を引っ込めると同時に、心に引っかかった事も奥へと追いやった。
「あ、あんたともう一度闘うチャンスがある事に感謝するわ。……それに、あいつも!」
シノンが、口にするのはキリトの事もあるだろう。あの強さを持つ男が、準決勝、つまり 自分が倒した相手に破れるとは思えない。だからこそ、本戦に来る、と確信をした様だ。
「……キリトは強いぞ。オレと同等、若しくはそれ以上、だ。今回オレが勝ったのは銃の経験の差。 あいつと闘るんだったら、今日以上に覚悟した方が良い」
「〜〜っ!!」
シノンは、自分の葛藤を全く判ってなく、あくまでマイペースのリュウキを見て、更に血を上らせた。顔面が真っ赤に熱く茹で上がる感じがする。この世界、このステージが夕日で染まる高速道でよかった、と思ってしまう。赤く染まる空が、自分の頬の、顔の赤さを覆い隠してくれるのだから。
「どっちでも良い
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