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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第184話 強さの意味
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いて、シノンはリュウキの方に向き直った。目を見開かせ、正面からリュウキに訴えかける。
「っ……! た、他人なんて、みんな、みんな敵よ!! そんなモノを求める心こそ、心こそが弱い証拠……なのよっ!」
そう、目に涙を溜めた涙を散らばせながら。シノンがこの時脳裏に描いたのはあの時の事。友達を欲しがることが弱さ、目を曇らせた、と心底思う結果を生んだあの時の事だ。
そんなシノンを見て、リュウキは首を軽く振った。
「1人で、たった1人で出来る事なんて、それ程多くないんだ。……オレはそれを学んだんだ。……オレはあの時に。オレの手は、……本当に奪ってしまったあの時、1人じゃなにも出来なかった。自分1人じゃ……」
今にも消え入りそうな声、だった。そのリュウキの告白を聞いて、訴えていたシノンの瞳に力が失われた気がした。足元から崩れ落ちる様な感覚とともに。
「仮にもし、
この世界の銃弾が
(
・・・・・・・・
)
、
刃が本当に人を殺す
(
・・・・・・・・・
)
モノなのだとしたら
(
・・・・・・・・・
)
、それを躊躇わずに最後の一撃を、全てを奪う一撃を入れる事が強さ、なのか? それが強さだ、って言うなら、多分オレはもう、誰よりも何よりも弱いと思う。オレ達はきっと。あの時だって支えが無かったら、1人だったら、オレはきっと崩壊しているだろうから……」
リュウキの言葉。
それは、嘗ての自分が犯したあの時の事、あの時の状況に酷似していた。一瞬、あの時の事を知った上で、そう言っているのか?と思った程だ。
ただ、1つだけ確かなことはあった。
やはり、この男は、リュウキはその内側に、自分と同じ、いやひょっとしたらそれ以上の闇を、その恐怖を隠しているのだと言う事。
だけど、どうしてもシノンは認めたくなかった事もある。この時に強く、強く想った。
シノンは、詩乃はあの1件、他人は全て敵である事を念じながら生きてきた。気を許せる者がいたとしても、それでも。何処へ来たとしても、変わらない。……人殺しと言う名を背負ったあの日から、他人が見る眼は、何処へ言っても変わらない。だからこそ、己を救えるのは己だけ。そうずっと考え、思い、過ごしてきたのだ。
だけど、だけど、目の前の男は、はっきりと否定をした。
自分と同種の闇を背負っている男が発した言葉。
――1人じゃなかったから、今の自分がいる。
この強さは、1人じゃなかったからこそ、得られたモノだ、と言っているんだ。そして、恐らくはあのキリトも。この世界の強さの枠を超越した超人達は……。
シノンは、無意識に、多分無意識なのだろう。手の中に収まっていたグロッグは、その手から零れ落ち、そしてなにも掴んでいない手は、まるで見えない糸に惹かれるかの様に、
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